進撃の巨人の世界観がすごい


どうも、みなさまこんにちは。
今回は『進撃の巨人』について語りたいです。

別冊少年マガジンで連載されていた作品で、
初アニメ化された2013年頃は非常に話題になっていました。
私はその当時アニメ3話くらいまで見ましたが、
なんか眠くなってしまって見るのをやめてしまいました。
とりあえず伏線とか凄いって情報だけは知っていたので
いつかまとめて一気に見ようと思って
ずーっと温存しておき、
2021年3月の頭くらいに満を持して1期からfinalまで
一気に見て、まだアニメ化されてない部分は
電子書籍を買って最新話まで追い
めちゃくちゃハマってしまいました。

ついに連載も4月で終わり
物語が完結する進撃の巨人ですが、
ネタバレ有りで面白さを紹介していきたいと思います

それではどうぞ!



進撃の巨人とは

進撃の巨人とは、
人類の歴史であり神話であり現実であります。
何を言っているか分からないと思いますが、
物語を終盤まで見た方は納得してくれるでしょう。

2009年から2021年まで連載していた漫画で、
かなり現実味を帯びた内容のダークファンタジー的な
それでいて物凄いリアリティな世界観を持っています。
ファンタジー的な要素は巨人関連くらいで、
その他は基本的に現実と同じで、
一般人は銃弾一発で死ぬくらいのリアルな世界です。

2013年4月にアニメ化されて人気に火をつけ、
2019年12月時点では発行部数1億部を突破しているようです。

なんとなーく知っている方の認識として
この作品のコンセプトは巨人を駆逐していく
といったストーリーラインだと思われますが、
物語が進んでいくにつれて、
徐々に紐解かれていく世界の真実
そして巨人の正体が判明し、
非常にスケールが大きい話になっていきます。



面白すぎる世界設定

序盤から主人公たちと同じ目線で
世界の謎が徐々に紐解かれていき、
読者と作中の人物たちは真実を知ってゆきますが
それは後付けなんてものではなく最初から
組み込まれていた設定であることがよく分かります。
諌山先生の伏線の張り方、そして世界観の演出の仕方が
本当に絶妙すぎて鳥肌が立つほどに。
最初から見返しても辻褄が合うのが凄いです。
まさに計算されし尽くされた世界設定です。

巨人の脅威

序盤はエレンという人物の目線の話で、
壁に囲まれた国に暮らしており、
壁の外には人を食う巨人がたくさん生息しています。
なので壁の中にさえいれば平和に暮らしていける
といった具合なのですが、
ある日突然、安寧の日々は終わりを告げ、
超大型巨人が出現し壁の門を破壊されてしまい、
人々は巨人に襲われ、主人公であるエレンも
目の前で母親を巨人に食べられてしまいます。
そこから一匹残らず駆逐してやると強い思念を持って
物語が大きく動き始めます。

壁は上記の画像のように三層になっており、
ウォールマリア、ウォールローゼ、ウォールシーナ
名前があるのですが、この壁の内側に行くほど
権力や地位の高い人間が暮らしています。

壁の外には巨人が生息しているため
壁が破壊されて巨人が侵入してくることで
人類の活動領域が狭まってしまいます。
物語の序盤ではウォールマリアが破壊され、
主人公のエレンの母親をはじめ、
多くの民間人が犠牲となりました。

巨人には種類があり、
意思を持って行動している巨人と、
そうでない無垢の巨人がいます。

無垢の巨人は知性を持たず、
人間だけを捕食し襲ってきます。
人間を食べなくても餓死することはなく、
他の馬や牛などの動物を襲うことはありません。
消化器官もないようで、お腹が一杯になると、
咀嚼した人間の肉塊を吐くようです。

意思を持つ巨人は、
何かの目的のために知性を持って行動しているようで、
無垢の巨人と比べると運動能力や戦闘能力も高く
人間を捕食したりするよりかは、
命を絶たせるような行動をして襲ってきます。

壁の外に生息する9割9分9厘の巨人が
無垢の巨人であり、
意思を持った巨人はどこに生息していて、
いつ現れるのかは分かりません。
巨人に共通しているのは、
凄まじい再生能力と、うなじが急所であることです。



巨人の正体

しかし、わりと序盤の方で
意思を持った巨人の正体が判明します。
まず、ウォールローゼの壁が破壊され、
巨人たちが襲来してきたときに、
エレンが簡単に打ちのめされて
無垢の巨人に食べられてしまうのですが、
ここでエレンは巨人化し無垢の巨人たちを
駆逐しようと戦っていきます。

その後も女型の巨人というものも出現し、
人類の敵として阻んできます。
犯人は訓練兵104期生のアニであることが分かります。
さらにこれもまだ序盤なのですが、
物語冒頭のウォールマリアを破壊し、
街に無垢の巨人を放ったのは
訓練兵104期生のライナーベルトルト
犯行であるということが分かります。

なぜエレンが巨人になることが出来るのか。
そしてアニ、ライナー、ベルトルトは
なぜ人類の敵として立ちはだかるのか。

ひとまず敵ではないエレンの巨人の力を
人類は利用し調査兵団の一員として迎え入れて、
大きな貢献を果たしていきます。



壁の外には何があるか

物語の序盤では、壁外には人類は存在しておらず、
壁の中にしかいないという認識になっております。
これは壁の中の人間の共通認識であり、
誰もそれを疑うことはありません。
歴史の教科書にもそう記されており、
人類は壁の中で理想の世界を手にしたのだと。

しかし、不可解なことに
壁が出来たのは100年前と言われており、
この100年間は壁のおかげで巨人から襲われることもなく
平和に人類は暮らしているという事実があります。

100年以前はどうなっていたのか
当然この世界には年配の人間も存在しており、
高齢者なら100年前よりも過去のことを知っていそうです
が、その人らも実際の記憶では何も覚えておらず
歴史的文献からは、

この壁に人類が逃げ込んだ際
それまでの歴史を記すような物は
何一つ残すことができなかった

人類の大半は失われ
住み処は僅かにしか無くなったが
争いの絶えなかった時代と決別できた

としか記されていません。

物語の中盤で、エレンの父親である
グリシャ・イェーガーの地下室が
巨人に関する世界の謎の手掛かりになるとして
調査されることになります。

そこの地下室にあった彼の手記には、
彼の半生と、壁の外側に関する
世界の真実が記されていました。

壁の外には人類が存在しており、
グリシャの遺した写真の裏には手書きで

私は人類が優雅に暮らす壁の外から来た

と書かれていました。
我々の住んでいる場所は
パラディ島という島になっているということ。
エルディア人という人種が存在しており、
隣国のマーレという国から迫害を受けています。
エルディア人は巨人になれる能力を持っており、
巨人の骨髄液や血を摂取すると、
無垢の巨人になってしまいます。
無垢の巨人の正体は人間だったのです。
マーレはエルディア人を収容区に住まわせ
罪や法を犯した者を楽園送りとして
無垢の巨人にさせてパラディ島に放っていました。

エレンの父親であるグリシャは
マーレの収容区で生まれたエルディア人であり
少年時代にマーレの治安当局に妹を殺され、
その事実が揉み消されてしまったことで、
強い恨みを芽生えさせ後に反マーレ勢力として、
エルディア復権派として活動することになります。

その活動の中でグリシャは、
かつてのエルディア帝国の王家の末裔である
ダイナ・フリッツと結婚して子を授かります。
子の名前はジークで、マーレの表向きの教育とは違う
正しいエルディアの歴史を熱心に教え込み
愛情を与えずに育ててしまったせいもあり、
ジークは両親がエルディア復権派であることを
マーレ政府に告発し、両親であるグリシャとダイナは
拷問を受けて楽園送りとなってしまいます。

ダイナは無垢の巨人となって
パラディ島に放たれてしまうのですが、
グリシャはマーレ治安当局のスパイである
エルディア復権派のフクロウと呼ばれて暗躍していた
エレン・クルーガーという人物に
九つの巨人の力の秘密と、進撃の巨人の力を託され、
エルディア復活のためには『始祖の巨人』を奪還しろと
命じられパラディ島で第二の人生を歩みます。

グリシャはパラディ島で記憶喪失を演じて、
壁内での市民権を獲得し、
医者として生活をし始めます。
その暮らしの中で主人公エレンの母親にあたるカルラと出会い
結婚しエレンを授かります。
つまるところグリシャにはかつて
ダイナという妻の間にジークという息子がおり、
カルラという妻の間にはエレンという息子がいることになります。
九つの巨人の力を得ると寿命は13年しか残されておらず、
グリシャはこの13年の間に自身の使命を全うするため
壁外の世界のことや、エルディア人のこと
マーレのことなどを詳細に書き綴り遺していました。


パラディ島の悪魔

そもそもなぜエルディア人は迫害を受け、
壁内にいるパラディ島のエルディア人たちは
悪魔と言われ、この事実を知らないのか。
それは遡ること1800年以上前のこと
ユミル・フリッツ(始祖ユミル)という少女が
大地の悪魔と契約し巨人の力を手にすることから始まります。

これはあくまで神話ベースの話であり、
実態として始祖ユミルは、
エルディアの大勢いる奴隷の一人に過ぎない少女でした。
ある日、豚を逃がした罪により、当時のフリッツ王(初代)に
自由という名の追放を言い渡されます。
フリッツ王の刺客達に狩りのように追われる最中、
大樹の洞に落ちたところに
脊髄のような何かと接触して巨人化を果たします。
以降、その力でエルディア領地の拡大、敵国マーレの制圧などを
奴隷のように従いながら遂行しエルディアに貢献します。
エルディア領地の拡大を機にその働きの褒美として
フリッツ王に娶られ3人の娘を授かります。
巨人の力を手にした13年後、
投降した敵とフリッツ王との謁見の最中、
敵が隠し持っていた投げ槍から身を挺してフリッツ王を守り
致命傷を負います。娘達にその安否を心配される中、
フリッツ王が最期まで自身を奴隷としか見ていなかったことに絶望し、
巨人の力で回復することなく息絶えてしまいます。
その亡骸は、巨人の力を継承させようとしたフリッツ王によって
切り刻まれて娘達に喰われ、
以降は奴隷時代の姿で「始祖の巨人」の中で
「自分の意志を持たない奴隷」として王家の命令に従い、
巨人を作り続けます。

この娘たちの名前がマリアローゼシーナと言い
壁の名前と同じになっています。

マーレの解釈と、エルディアの解釈で
史実が異なっているのですが、
マーレ側は「他民族の弾圧し、無理やり子供を産ませ、
民族浄化を1700年間続けた
」としており、
エルディアの歴史的文献からは
荒れ地を耕し、道を造り、峠には橋を架け
ユミルこそが人々に富をもたらして大陸を発展させた

もはや何が真実かは誰にも分かりません。

この世に真実など無い それが現実だ
誰だって神でも悪魔にでもなれる
誰かがそれを真実だと言えばな

と、クルーガーさんも言っています。
マーレ政権下では「悪魔の使い」、
エルディア帝国の時代は「神がもたらした奇跡
とされ、双方で認識が異なります。



不戦の契り

100年前にエルディア人同士で争いが起こり、
巨人対戦が勃発してしまいました。
145代フリッツ王であるカール・フリッツ
この不毛な同族同士の争いに疲れ果て、
マーレと手を組みヘイロスという人物を
英雄として仕立て上げて戦争を終わらせました。
カール・フリッツは始祖の巨人を継承すると同時に
出来る限りのエルディア人をパラディ島へ移し、
三重の壁を作り壁の門を閉ざしました。

その際、安息を脅かせば
幾千の巨人で報復すると言い残しました。
しかし、これは真意ではなく、
カール・フリッツは自らの思想を引き継がせるため
不戦の契りを生み出したことによって
王家の人間は始祖の巨人を継承したとしても
この思想に取り憑かれてしまうため、
巨人を操ることが出来ません。
これはカール・フリッツの平和を願う心であり
マーレへ侵攻していないもの彼によるものです。

彼の目的は平和であり、
後にマーレが力を付けて
王家の命や始祖の巨人を奪おうとするのであれば
それを受け入れる覚悟はできており、
エルディア人が犯した罪は大きいと認めています。
いずれ報復を受けるまでの間、
壁の中の世界に争いのない束の間の楽園を享受したい
どうかそれだけは許してほしいと言い残しました。

壁を建てたあとは、始祖の巨人の力で
エルディア人から記憶を奪い、
壁の外には人類はいないと隠蔽を行い、
エレンたちの時代まで繋がります。

そんな歴史も
エルディア側もマーレ側も有耶無耶となり、
マーレは始祖の巨人の奪還として、
ライナーやベルトルトたちを送り込ませ
壁を破壊し無垢の巨人を街へ放ち、
始祖の巨人の在りかと、王家の人間が
本当に幾千の巨人を操り報復する力があるのか
威力偵察をしにきたわけです。

そしてそんなカールフリッツの
平和の願いとは裏腹に、
マーレでエルディア人として生まれ
マーレ人にひどい目に遭わされ
エルディア復権を誓ったエレンの父親グリシャは
始祖の巨人の在り処を突き止め
来たる日に行動を起こすことになるのです。



物語の主人公

エレン・イェーガー

表向きの物語の主人公がエレン・イェーガーです。
彼は子供の頃にミカサやアルミンと共に、
100年破られなかった壁が破壊され
巨人が襲来してきたシガンシナ区におり、
目の前で母親が巨人に食べられてしまい
強い復讐心を宿します。
一匹残らず駆逐してやると。

訓練兵に志願し、
TOP成績上位10名になり卒業後は
危険な調査兵団を志願し壁外調査などで活躍します。
自身が巨人になれる力があることに気が付き、
後に父親から継承したことで原因であることが分かります。

実際には戦闘に長けているわけでもなく
頭が切れるわけでもなく
ただ巨人になれるというアドバンテージだけで
ここまでこれた感があり、
完全に父親のお下がりで
のし上がってきたようなものです。

壁の外の真実を知ると、
人が変わってしまったようになり
仲間のことを大切に思っていたはずが、
物語の終盤に差し掛かる頃には
どうでもよくなってしまったみたいです。
自身の欲望だけを優先して、
何者にもとらわれずに突き進んでいきます。



ライナー・ブラウン

エレンと同じ104期生の訓練兵で、
成績2位で卒業できました。
しかしライナーの正体は、
壁の外の国であるマーレの戦士であり、
もともと軍人として鍛え上げられていました。

始祖の巨人の奪還が目的だったのですが、
誰が始祖の巨人を有しているのか分からず、
調査兵団に属しながらも
とりあえず壁を破壊して出方を窺ったりして
裏で色々と暗躍していました。
同じ仲間にアニとベルトルトがいます。

ライナーは幼い頃からまともな愛情を
受けて育っておらず
名誉マーレ人になるために
必死にマーレの戦士を目指していました。
成績も落ちこぼれのドベでしたが
弟をマーレの戦士にしたくないという思いのある
マルセルの印象操作でライナーが戦士に選ばれます。
ライナーは「英雄になりたい」「尊敬されたい」
という幼い頃の損なわれていた承認欲求があり
パラディ島でマルセルが事故で
無垢の巨人に食べられてしまった後も
無理やり作戦を続行しようとしたのも
このチャンスを逃すわけにはいかなかったからです。

彼が5年間パラディ島で過ごした日々は、
幼い頃からマーレの教育で
パラディ島には悪魔が棲んでいる
エルディア人は悪魔の末裔であると
教え込まれてきて
実際に訓練兵として、調査兵として
色々な人間と共に過ごしていくうちに
悪魔なんていないことに気が付き
壁の外も壁の中も分け隔てなく
色々な人間がいるという事を知ります。
長く居過ぎたせいで
罪悪感から来るものなのか
ここで過ごした日々は
まさに地獄だったと語っています。

強靭なメンタルを持ち合わせていないライナーは
マーレに帰還した後は目的を見失いつつも
マーレの戦士として過ごしていますが、
自決しようとする場面もあるほどに、
心が追い詰められてしまっています。

まさに彼は裏の主人公なのです。


OP・ED

アニメ版は特に制作に気合いが入っており、
戦闘シーンや補足的なさりげない説明など
非常にクオリティの高いものとなっていまして
それはオープニング・エンディングも例に漏れません。
中でも私が好きなものを抜粋しておきます。

ちなみに2期EDの画は原作者の諌山先生が
手がけて描いたそうです。




作品を見終えて

現実に近い世界設定とファンタジー要素の織り交ぜが
非常に面白く、我々が生きている世界でも
問題となるような民族間の迫害であったり
戦争であったりと、考えさせられる部分が多く
社会的な作品だと思います。

序盤から登場人物と読者が同じ目線で
世界の情報を徐々に紐解いていくような
ストーリー展開は大変面白くて、
それも序盤からしっかり練られていたもので、
後から見返してもほぼ矛盾点がないのは
創作物としては大変クオリティが高いです。
そして片一方だけの視点だけではなく、
エルディア側の視点とマーレ側の視点を
きちんと描いて物語が進行されていく様は
見ている側も考えさせられます。

本稿では『進撃の巨人』の
世界観をメインについて紹介していきましたが
キャラクター同士の人間関係も
味わい深くて人間くさいリアルなものとなっており
非常に面白いので見ていない方はこれを機に
是非とも作品を見て頂きたく思います。



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