けものフレンズのストーリーが秀逸すぎて泣ける件


どうも、みなさまこんにちは
今回は『けものフレンズ』について語りたいです。

けものフレンズとは、吉崎観音さんが
キャラクター及び世界観のコンセプトデザインを手がけ
スマホアプリや漫画などの展開がされていましたが
人気があまり無くアニメ化前に
スマホアプリのサービスが終了してしまっていました。

そのプロジェクトの一環でアニメが制作され、
2017年1月から3月までテレビ東京などで放送されました。
アニメーション監督のたつき監督が手掛け
これが爆発的ヒットし、世間を賑わせました。

作品内容に中身がなく頭からっぽにして見られるような
ネタ的な扱いで人気に火が点いたと
思われている方も多いと思いますが
そんなことは全くなくて
この作品のストーリーラインが普通に神がかっており
世界の謎や伏線をちらつかせつつ進行していきます。
当時放送していた時も考察している方が非常に多かったです

そんなアニメ版けものフレンズ(1期)の魅力を
紹介していきたいと思います
ネタバレありますのでご注意下さい!


けものフレンズとは

動物が人間の姿をした「フレンズ」と呼ばれる少女たちが暮らす
サファリパーク型動物園「ジャパリパーク」を舞台に、
パークに迷い込んだかばんちゃんの自身の正体を知るため
フレンズたちと共に真実を探していく冒険活劇になります。

当作品は低予算で制作されていたようで
3Dアニメーションを採用しており、
動きがところどころ不自然に感じる部分があり
特に1話の不自然さは顕著です。

が、しかし
このアニメの素晴らしい部分は
そんなアニメーションの滑らかな動きや
いかに自然である動きや作画かを
競って見せる部分なんぞではありません。

アニメ1話からその真価は発揮されており、
全く知らない場所に迷い込んでしまったかばんちゃんと
さばんなちほーを縄張りとしているサーバルちゃんが出会い、
木登りの仕方を教えてあげたり、
かばんちゃんの歩く歩幅と速度にあわせて
さばんなちほーをサーバルちゃんが案内してくれます。
途中でパークの地図をかばんちゃんが見つけるのですが
これはフレンズたちは気が付かなかったようで、
人間だからこそ気が付ける利点であると言えます。
そして中型のセルリアンが最後に出てくるのですが
かばんちゃんが地図を紙飛行機にして気を逸らせ
その隙にサーバルちゃんの自慢の爪で弱点を狙い
2人が互いの力を合わせて退治します。

これは1話だけの展開なのですが、
アニメ12話全体を通して、この大筋は変わりません。
困っている者がいれば手を差し伸べて、
得意なことや不得意なことがそれぞれ皆あり、
相互に協力し助け合って問題を解決していきます。

まさにこの作品は
子どもが安心して見られるやさしい世界
なのです。


ディストピアを匂わせる世界観

1話を見ただけでは気が付くことができませんが、
この世界はフレンズと呼ばれる、
あまり頭が良いとは言えない
動物レベルの知能の者たちがほとんどなのですが、
なぜか人工物がところどころに存在しています。
普通に頭からっぽにして見ている分には、
まぁ別に深い意味はなくて制作の都合上あったら便利だから
突拍子もなく登場させているんだろ
」的な
そんな感じで特に留めることはない人が殆どだと思いますが、
まず人間が存在していない世界で、
なぜ人工物があるのかという
そこのところの謎に迫っていきたいと思います。

人類は絶滅した?

まず最初の伏線としてパークの地図が存在すること
そしてラッキービーストがかばんちゃんにしか反応しないこと。
フレンズたちの証言ではラッキービーストが喋ることはなく、
なぜかかばんちゃんの前だと喋るということです。

そして2話、3話と進めていくと、
山登り用のロープウェイが存在していたり、
カフェの建物があったり、
観覧車のようなものが見えたりしています。

これらは全てフレンズたちは、
最初から存在していたと言っており、
決してフレンズたちが作ったものではないということ。

そして1話ではエンディングがなかったのですが、
2話以降はエンディングがあります。
その内容が廃墟のような遊園地の実写となっており、
オープニングの楽しい感じとのギャップが凄まじく
当時の視聴者を驚かせました。
と同時にこのディストピア的な世界観を
一気に匂わせだしてきたのです。

ハカセが登場する第7話では、
ヒトはある日を境にいなくなったとされ、
ヒトはもう絶滅したのです
と言い切るシーンがあります。

実際にこの人類は滅びたのでは?という考察は
おおむね当たっているような認識で合っており、
11話では戦闘機のようなものの残骸や、
ミサイルのようなものの残骸があり、
どのようにしてヒトは絶滅したのかが
非常に気になるようなシーンが点在します。

これらは2期以降に展開されていくような
期待感があったのですが、
1期を制作していたたつき監督は降板させられて、
この作品の続編は事実上作られることがなく幕を閉じました。



不可解な登場人物たち

人類が滅びた云々の前に
まずフレンズって何者なのか
そういう設定の作品なんだろう
って言われればそれまででしかありませんが、
フレンズと呼ばれる者たちも
自身が何者であってどうやって生きているのか
そしてその世界の仕組みとかが
詳しくわかっていない状況です。

パークのガイドだった
ミライさんという人物が残したメッセージによると
生き物や、生き物だったものに
サンドスターが反応して生まれる
と言われています。


フレンズは
元の動物が擬人化された姿であり
身体能力も引き継いでいます。
例えば鳥の動物が元の姿であるフレンズは、
羽がなくても手をバタつかせずとも、
すいーっと空を飛ぶことが出来ます。

そして明らかに人間であるかばんちゃんを見ても
フレンズたちは「人間」だということを
理解できませんでした。
図書館にいるはかせたちによって
ヒトという動物のフレンズであることが分かるのですが
そもそも人間なので擬人化もクソもなく、
人間そのままの姿をしており、
その世界においての異物感が凄いです。


サンドスターとは、セルリアンとは、

ジャパリパークにはサンドスターと呼ばれる
火山(?)の噴火によってもたらされる
謎の物質が存在します。
見た目はキラキラしており、
上述したように生き物や、
生き物だったものに触れると、
フレンズが生まれるようです。

フレンズとはまた別の存在として
セルリアンというものが存在します。
一応生きている感じではありますが、
目が1つだけでスライムみたいなアメーバみたいな
なんか気持ち悪いやつで
言葉は話さず知能も持っていないようです。
サンドスターローというものを吸収し、
太陽に向かって動き続け、
海を嫌がっていることなどが分かっています。

セルリアンはフレンズたちを食べてしまう
ジャパリパークにおいてとても危険な存在で
作中ではサンドスターが無機物と反応して生まれる
と云われています。
サンドスター自体が1種類ではないのかもしれない
という作中での推測もあり
いくつか種類があることが示唆されています。


秀逸なストーリーライン

この作品の魅力は何と言っても
最初こそは頭を空っぽにして見ていられる
知能指数が下がる作品と言われていましたが、
その表面的な
「たーのしー!」「わーい!」「すごーい!」
な作風の裏に孕んでいた
謎と伏線が続きを知りたくなる欲求を掻き立たせ、
ストーリーラインや世界設定が
しっかりと緻密に作りこまれているため
子供だましでもなく、
低予算ゆえの投げやりな作品でもなく、
見本にするべきであろう
王道で秀逸な作品なのです。

第一話が全てを物語っている

僕自身もう何回見たか分からないほど
けものフレンズ第1話を視聴しているのですが、
ニコニコ動画で1話のみ無料で視聴することができるので
是非見て頂きたいです。

知らない世界に迷い込んでしまったかばんちゃん
かといって過去の記憶があるわけではありませんが、
言葉を話せたり文字を読めたり頭が良かったりします。
そこで最初に出会ったのがサーバルちゃんで、
さばんなちほーのガイドを親切にしてくれて、
共に手を取り合って困難を乗り越えていきます。

そしてかばんちゃんは自分の正体が何なのか
知るべくためにさばんなちほーを出て、
としょかんへと目指していくため、
案内してくれたサーバルちゃんと別れを告げ、
一人で歩みを進めていくのですが、
サーバルちゃんはやっぱりちょっと気になるから
付いて行くと言い一緒に同行するようになります。
ここの最後の部分が意外と伏線にもなっていたりもします。

物語全体を通しての起承転結が明確で分かり易く、
[出会い] ⇒ [世界の説明] ⇒ [問題] ⇒ [解決]
という子供にも非常に分かり易いストーリーライン。
視聴者も主人公と同じ目線で物語を楽しむことができます。
これが第1話だけの構成なのですが、
けものフレンズ全体を通しての構成も体現しています。


伏線の回収力

中盤くらいまで特に語れることなく
当たり前のように存在している人工物や、
セルリアンやサンドスターの存在。
そしてパークのガイドとして存在し、
たまに別人のようにしゃべりだすラッキービースト

特に疑問に思わずそういうものとして認識すれば
何も問題視することはありませんが、
これらのものたちはこの作品を終盤まで見ていくと
ちゃんと意味があってそこに存在していることが分かります。

すべての伏線が回収されるわけではありませんが、
物語の終盤にカタルシスの如く回収されていき、
物語の構成の上手さ、ストーリーの展開の秀逸さを
まじまじと堪能することができること間違いなしです。


王道の大団円

終盤の畳みかけるピンチと打開策は、
まるでジャンプさながらの展開で
燃えるような熱い演出に感動を覚えます。

僕はリアルタイムで毎週放送を見ていましたが、
最終回の12話はAパートで死ぬほど号泣しました。

ジャパリパークの危機として
フレンズたち皆で協力して
超大型セルリアンを討伐するため
かばんちゃんを筆頭に作戦を練り
一致団結の力で討ち滅ぼします。

その作戦の内訳は、
光りで煽動して港にある船にセルリアンを乗せ、
船に乗ったところで海に落とすという作戦です。
これにはかばんちゃんのやってみたいこととして、
船に乗ってパークの外に出て、
他に人間たちがいるのかどうかを知りたい
という欲求がありましたが、
この作戦を遂行するにあたり
叶わぬ夢となってしまいます。
それでもかばんちゃんは自らこの作戦を推し
皆には特に話すわけでもなく実行に移します。

作戦の途中にサーバルちゃんが
セルリアンに飲み込まれてしまい、
かばんちゃんが木登りをして救うシーンは
1話からの伏線にもなっていてとても泣けます。
ちなみにセルリアンに飲み込まれると、
記憶が無くなったり、
最悪死んでしまったりするようです。

なによりもここまでの旅路を
1話からずっと2人でしてきた
かばんちゃんとサーバルちゃんの友情に
とても泣かされます。

そして痛手のサーバルちゃんをかばうため
自ら囮になってかばんちゃんが飲み込まれ、
今度は今まで助けられてきたフレンズ総動員
かばんちゃんを救出しようと力を合わせます。

特にサーバルちゃんが
かばんちゃんを返してよ!
と言うシーンと
紙飛行機を上手く使って
セルリアンの気を逸らすシーンは
涙なしでは見れません。


さらにこの作戦にはラッキービーストも協力してくれて
今まで人間であるかばんちゃんにしか言葉を話さなかったけど
ヒトの緊急事態対応時のみフレンズに干渉するらしく、
ここではサーバルちゃんにも話しかけてくれます。
しかし、ここでラッキーさんのふとした言葉が
さらに涙を誘ってくるのです。

サーバル
三人デノ旅
タノシカッタヨ


そして最後はラッキーさんによって
作戦を成功させることができました。
このとき、かばんちゃんとサーバルちゃんの
名前を呼ぼうとしているところがすごく泣けます。




大人の事情で2期は・・・

この作品は、非常に続きが気になるような終わり方をし
2期の制作に期待されていたのですが、
なんと1期の脚本・演出のほとんどを担っていた
たつき監督を降板させて2期を制作するとカドカワが発表し、
Twitter界隈などでは大きな波紋を呼びました。

そもそもこのけものフレンズという作品は、
原作も企画もたつき監督のものではなく、
カドカワのものなのです。

アニメ化する前は人気も知名度もなく
アプリもサービス終了した後にアニメ化するといった
ほぼ死産みたいな作品でありながらも
たつき監督によって丁寧に手掛けられ、
けものフレンズという世界観や設定の面白さを
世間に掲示することに成功し
作品の価値が非常に上がることになりました。

そして用が済んだたつき監督には降板してもらって
カドカワは彼を切り捨てる選択をし、
まったく別の制作会社に2期を制作。

知名度さえあればアニメなんて誰が作っても同じだ
という考え方なのか知りませんが、
案の定2期の作品クオリティは悲惨なものとなり、
「そういうガバガバ設定」みたいなものをウリに
ツッコミどころをあえて与えていたのかは知りませんが
見ている視聴者も不快にさせるような退屈な作品に仕上がり、
ニコニコ動画のアニメ放送史上歴代1位の
低評価記録を更新することになりました。


僕自身も2期の1話だけ見ましたが、
物語として1期の続きではなく
起承転結もなくただキャラ同士が
内容の無いことでくっちゃべってるだけであり、
しかも1期には無かったギスギスしだしたり、
(喧嘩するほど仲が良い演出にしたかったのかな汗)
除け者がいても自分らが楽しければそれで良いみたいな
子供に悪影響を与えかねないような演出や、
1期で過ごした時間を全否定するかのような設定など
とにかく1期の視聴者の気持ちを逆撫ですることに
全身全霊を込めて制作しているようにさえ思えます。

僕はなんだかもう公共の電波で何を見せられているのか
といった具合で2話以降は見るのを辞めることにしました。
いや、もともと期待などしていませんでしたが
興味本位で見てしまい非常に後悔しています。

詳しくはこちらを参照してもらえばと思います。


1期から続くはずだった物語

1期のストーリーでは
何らかの理由でパークの職員は
島を出ることになったことと、
現在のジャパリパークと呼ばれる場所は
キョウシュウエリアと呼ばれ、
かばんちゃんが目指すべき見えていた島は
ラッキーさんによるとゴコクエリアと呼ばれ、
瀬戸大橋のようなものが見えています。
(企画初期段階ではシコクでしたが
 ゴコクになったようです)
ちなみにジャパリパークの地図は
九州の地形とほぼ同じなのです。

1期のストーリーの続きは
永遠のお蔵入りとなり
もう二度と誰も見ることのできないものと
なってしまいました。



総評

1期だけに関して言えば
完全に見くびっていた作品で
まだネタ枠としての作品と
勘違いしたままの人が非常に多いと思いますが
友情・努力・勝利のジャンプ三大原則に
引けを取らないほどの集大成。
そして続きを気にさせるような幕引き。
あ、もう続きは二度と見ることはできませんが、
大変素晴らしい作品で、
小さいお子様にも安心して見せられ
教育上とても良いものだと思います。
全12話で完結していてコンパクトなのです。
感動するのです。

ちなみにYouTubeに公式として
12.1話がUPされていたりもします。
これはかばんちゃんの旅立つ前の
前日談てきな話ですね。

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