どうも、みなさまこんにちは。
今回は国民的漫画である『SLAM DUNK』を映画化させた
『THE FIRST SLAM DUNK』を観てきた感想を書き綴っていきます。
いやぁ正直この映画は観るつもりが無くて
予告とかのプロモーションの段階で
3DなのかCGなのかよく分かりませんが
Peeping Lifeのような、惡の華のような、
なんか違和感満載のPS3のゲームのような
メタバースのような作画に失望していました。
井上雄彦先生の画がアニメで動いている
そんな作画のやつが観たかったのが正直な思いです。
しかし、わたくし10代という青春時代を
井上先生の作品に魅せられて育った人生でしたので
やっぱりどうしても気になってしまい、
映画を観に行くことにしました。
そんなTHE FIRST SLAM DUNKをネタバレありで
観てきた感想を書き綴っていきます。
どうぞ!
© I.T.PLANNING,INC.
© 2022 THE FIRST SLAM DUNK Film Partners
目次
井上雄彦とは何者なのか
今作の映画の元ネタとなる『SLAM DUNK』の原作者であり、
鹿児島県出身の漫画家で、生ける現人神です。
代表作としてスラムダンク以外にも、
『バガボンド』、『リアル』と
現実的世界を舞台に人物描写・心の機微・精神の成長などを
巧みに表現するリアリスト寄りの作風です。
何より絵がめちゃくちゃ上手いです。
『SLAM DUNK』連載
週刊少年ジャンプで1990年から1996年のあいだ連載。
ジャンプコミックスの単行本が全31巻
完全版が全24巻
新装再編版が全20巻
で、それぞれ発売しています。
個人的オススメは完全版です(表紙がカッコイイ)
アニメでしかスラムダンク見たことないって人は
原作の方が数億倍面白いので絶対に読んでください。
物語としては高校1年生のヤンキー・桜木花道が
赤木晴子という同学年の女子生徒に
「バスケットはお好きですか?」
と訊ねられ、
「大好きです スポーツマンですから」
と、スポーツをやったこともない不良の花道が
一目惚れして大ホラ吹いたことがきっかけで
物語が動いていきます。
私が初めて読んだ時はたしか中学1年の冬で
とっくに連載は終わっていました。
それまでワンピースとかシャーマンキングとかテニスの王子様とか
当時流行っていたジャンプ系漫画を読んでましたが、
姉が持っていたスラムダンクの完全版が7巻まで家にあり
暇だから読んでみたところ
人生で味わったことのないくらい「続きが気になる」
という思いに駆られたのを覚えています。
完全版7巻だとミッチーが体育館を襲撃して、
「安西先生・・・バスケがしたいです」
というあの誰もが知っている名言を経て
そんでそっからリョータとミッチーが加わり
新生・湘北高校の始動ってところまでだった気がします。
で、自身のなけなしの小遣い(月/¥1,000)で
そっから完全版を買い揃えていくのですが
まぁ続きが気になること気になること
生まれてこの方、何かの作品でこんなに
ドキドキ・ワクワクするという
そんな経験したのがスラムダンクが初めてでした。
自我を持って何かを本気で好きになったのが
生まれて初めての作品だと思います。
一体何がそこまで私をそうさせたのか
それはおそらくド素人である桜木花道が、
真剣にバスケットに取り組むことによって
少しずつ上手くなっていくことを実感して
着実にチームに必要な存在となっていく様
そしてそこに絡んでくる
チームメイトたちとの現実的な人間ドラマ。
たぶんスポーツ経験者なら
誰もが共感できることがこの漫画にあると思います。
私も小学校4年~6年まで少年サッカークラブで
3年間、毎週土日にサッカー習っていたので
なんか分からんけど上手くできるようになってきた、
成長できてるぞっ喜びが凄く共感できます。
というよりも
もちろんスポーツ経験による共感もありますが、
やっぱり何より話の面白さ
熱い展開 手強いライバルたち
まだ見ぬ強敵 圧倒的存在への挑戦
こういった要素が複合的に絡み合って
そこにさらに拍車をかけてくれるのが
絵の上手さ
だと思います。
特に完全版の表紙が凄く好きなんですけど
見て下さいこの繊細で美しいタッチ
こんなに絵が上手い漫画家いるんだって
当時の私はびっくりしました。
しかも連載していたのが1990年~1996年・・・?
いや最先端すぎるだろって感じです。
連載初期はぶっちゃけそんなになんですが、
井上先生は連載後期からさらに画力を上げ
めちゃくちゃ見易くてまるで動いているかのような迫力を
紙から感じられる画力になっていきます。
それでいてこの鬼気迫る画力を引っ提げつつも
こんな上記のようなコミカルな表現も出来てしまうので
ちょっとした小ギャグとかも織り混ぜつつ
面白さを誘い出してくれます。
連載終了から約8年後に、
湘北高校のメンバーのイラストが描かれた一面広告が
1億冊突破記念として各新聞社の広告を飾りました。
私もちょうどスラムダンクにドハマりして、
中2の春ごろには全巻やっと集め終わって読み終えて、
そこからすぐにその年の夏に1億冊突破だったので
なんだか運命的なものを感じつつ、
その新聞広告を大事にとって保管していました。
(家が朝日新聞をとっていたので流川でした。)
1億冊突破記念として井上先生のWebサイトに、
期間限定の記念サイトが設けられていて、
そこにメッセージを書き込むことができました。
私は当然書き込みましたが、
何を書いたかまでは覚えていません。。
10万を超えるメッセージがあったそうですが、
これ2004年のことなんですよね。
インターネットはパソコンからでしか出来ない時代ですが、
その時代で10万人ってシンプルに凄いことです。
さらに1億冊突破記念として、
『あれから10日後』と題して
神奈川の廃校を使ってスラムダンクの10日後の世界を
井上雄彦先生が黒板に描いて、
それを展示するというイベントがありました。
いわゆる黒板マンガというやつなんですけど、
これ私ぶっちゃけ井上先生のWebサイトを
毎日チェックするくらい心酔していた時期で、
当然このイベントをやることも知っていたのですが、
当時中学2年生で電車の乗り方とか知らんかったし、
神奈川ってめっちゃ遠いところだと思っていたし、
親とも口利いてないしで、
行く手段が分からなくて、
行かないという選択をしてしまったんですよね。
いま過去に戻れるならあの頃の自分に
「絶対に行け」と言いたいです。
何が何でも行ってくれと。笑
そのあと、
『あれから10日後』の黒板マンガが読める
ポストカードみたいなのが発売したり
(たしか公式定価1万円だった気がする)
廃校でのイベントの様子や、
井上先生が黒板に漫画を描いている様子だったりが
収められたDVDが発売したりしました。
私はどちらも購入しています。
捨てられてなければまだ実家にあると思います。
ちなみにこのDVDの特典には、
バッシュの音とボールの音で組み合わせたBGMをバックに
原作の名シーンを最初から最後まで流すみたいな動画が
収録されているんですけど
これは何度見ても良いものです。(ガチ)
マジで私の貴重でセンシティブな青い10代を、
このスラムダンクというものに
半分捧げて生きていたようなものでした。
何者にもなれない自分を
湘北メンバーに重ねていたのかもしれません。
いやぁ、
売れるべくして売れた漫画と言いますか
- 人間模様・話が面白い
- スポーツ・成功体験
- 予想できない熱い展開
- 圧倒的存在への挑戦
- 画力が半端ない
これらがヒットした要因なのではないでしょうか。
読んだことない方いたら読んでください。
10代に読んだ思い出補正とか思い入れとかじゃなくて
誰がいつ読んでも面白くて熱くて現実的で、
個人での成長学、チームでの勝利学、
どこで生きていくにも必要な教訓を得られる漫画です。
『バガボンド』連載
スラムダンクの連載が終わり、
井上先生が次の作品である『バガボンド』を
モーニングという青年誌で連載を始めることになります。
1998年から2015年のあいだ連載し、
それ以降は現在休載中の未完の作品です。
20巻以降はちょいちょい休載していたり、
不定期連載をしていたりしていて、
「いつものことか」くらいの感覚になっていましたが
こうして記事を書くことで改めて
もう7、8年も休載していることを認識させられました。。。
私が読み始めた頃は20巻が発売していて、
1年休載している時期だったのを覚えております。
現在は37巻まで発売しています。
おおまかな物語としては、
『宮本武蔵』を原作とした作品になっており、
村では大人も恐れる悪鬼であった武蔵(たけぞう)が
天下無双を目指すといったシンプルな話です。
シンプルなのですが、
心の描写、感情の機微、精神世界、
これらの表現の仕方が本気でエグい作品です。
新興宗教かってくらい人生を考えさせられて、
他者というものを考えさせられて、
そして強さというものを考えさせられます。
スラムダンクとはまた違った視点を持っており、
迫力のある戦闘シーンばかりのバトル漫画ではなく
どちらかといったら心の描写がメインです。
ストーリーの流れとか展開とかも当然面白いのですが
とにかく感情を汲み取るような漫画で、
そういうのが好きな人はめちゃくちゃ面白いです。
私はめちゃくちゃ大好きです。
細部に宿る神業的なものを感じています。
井上先生いわく、
スラムダンクは人間の「光」を描いたとしたのなら
バガボンドは人間の「闇」を描いたと
何かのインタビューで
そうおっしゃっていたのを記憶しています。
井上先生の画力もここからさらに進化して
なんと筆でマンガを描くようになります。
芸術的な素晴らしさも兼ね備わって
海外のファンもめちゃくちゃ多い気がします。
2008年5月24日~7月7日の期間中に
東京にある上野の森美術館にて
『最後のマンガ展』という催しが開かれ、
私個人は『あれから10日後』の後悔があったので
これはさすがに行きました。
友達と行ったんですが当時のガラケーに
行ってきた写真が残っているかもしれません。
バガボンドの今後の連載に関しては
たぶんもう心的要因は描き切った感はある気がするので
あとは単純に武蔵と小次郎がどう対峙して
どう終わるのかっていう。
そしてそこで何を想うのか。
ただそれだけのストーリーラインだと思っています。
もう休載も長いことしていて
未完で終わる可能性の方が高めなのですが
私が生きている間に続きが見られることを願います。
『リアル』連載
スラムダンクの連載が終わり、
1998年にバガボンドの連載が始まったと思いきや、
なんと1999年に『リアル』という作品を
週刊ヤングジャンプにて連載を開始します。
二作同時連載・・・!?
めちゃくちゃバイタリティがすごいです井上先生。
でも、このリアルに関しては月1回での連載で、
たしか単行本も1年に1巻分しか発売してませんでした。
私が読み始めたのはちょうど4巻が新発売していて、
バガボンドもそうだったんですけど
さすがに大人向けの作品ではあるが故に
当時の私が読んで理解するのにめちゃくちゃ時間を要して、
というかなんか最初よく分からなかったんですけど
でも4巻まで読んで一気に引き込まれましたね、
この『リアル』という作品に。
作風としては本当にこの現実世界と同じ舞台で、
それぞれ問題を抱える3人の主人公が存在して、
どう生きていくかの物語です。
起承転結のあるストーリーというよりかは、
本当にリアルな人間ドラマを描いた作品です。
戸川清春という3人の主人公のうちの1人がいるのですが、
彼の歩んできた人生の壮絶さに
当時中学3年生だった僕も心が打たれました。
そこから毎年新巻が出るたびに
読むのを楽しみにしてましたが、
1年に1巻しか出ないと前の話がなんだったか
あまり覚えていなくて
完結したらあとで一気に読もうって思ってから
私は今は追えていないんですよね。
既刊は15巻まで出ているそうです。
1年に1巻出すという体裁は今はなく、
不定期連載となっています。
物語の起承転結が薄い分、
どこで終わらせるのか難しい作品ではありますが
たぶん高橋くんがキーマンなのかなって思います。
THE FIRST SLAM DUNK
井上先生の紹介はここまでにして
今回の映画の話にいきたいと思います。
ついに待ちに待った映画化という
もうスラムダンクという作品は
これ以上なにも進展のないもので、
「あれから10日後」で永遠に止まったまま
世に残されていくものだと思っていました。
が、しかし
突如としての映画化
しかも原作者である井上雄彦先生による脚本・監督
え、これもう勝ち確定ですやん。
そう思っていた時期が私にもありました。
でも、結果的にはやっぱり勝ち確定でした。
10代の頃は井上作品に釘付けになって心酔していた私も
バガボンドの休載、リアルの不定期連載
そして謎のバッジ屋開業
さまざまな不信要素から
「この人はもう漫画を描く気がないのかな」
そう思わせられてしまった20代。
そして突如として発表されたスラムダンクの映画化
そこから1年後に出てきた映像が
3DのようなCGのような
なんか漫画作品での融和性が低めな作画。
いやこれもうやっぱダメか・・・
そう思って昨日まで過ごしていました。
けど観てきたらそんなこたァなかったです。
ちなみに余談ですが
スラムダンクは既に昔にアニメ化されています。
私はアニメというもの自体は好きなんですけど
無駄に長い顔面ドアップシーンとか
間の悪いテンポで進んでいく尺稼ぎとかが耐えられなくて
東○制作のジャンプアニメはかなり苦手なんですよね。
(ドラゴボ、スラダン、ワンピしかり)
スラムダンクも例に漏れず苦手で見ていないんですけど
一応インターハイ前までアニメ化されているようです。
つまり原作で誰もが胸を高鳴らせて感動を覚えた
あの山王戦は未だに映像化されていませんでした。
作画について
結論から言うと
やっぱりちょっと苦手で
違和感をものすごく覚えてしまいます。
作り物感というのでしょうか。
漫画にとっての「自然なアニメ化」ってきっと正解があって
そこを無理やりヌルヌルした現実に近い動き?
ってのをアニメーションの皮被って再現する必要性があるのかと
私はかなり疑問に思ってしまいますね。
でも映画を観ていくうちに
たしかに井上先生の〝画〟が動いていて
ふつふつと湧き上がってくる感動がありました。
よく分かりませんが私の目から涙が流れていました。
おそらく何度も繰り返し読んできたあの山王戦が
井上作画で動いてるという感動だったのだと思います。
はい。動いている分には素晴らしいです。
止まったりすると違和感半端ないです。
でも人間の脳って不思議なもので
2時間も見てるとそれなりに慣れてしまうものです。
あとたぶんですけど、
CGで動かしているところと、
普通にアニメの作画で動かしてる部分があったと思います。
あまり動きの少ない日常的なシーンで
散見されていたのではないかと思います。
そこに関してはマジで井上先生の画やん!
って思ってずっとそれでやってほしかったです。
ただ、本当に迫力のある動きのシーンにおいては、
このCG技術は凄まじいものがあると思います。
リョータが流川にパスすると思いきやミッチーにパスする
フェイクのシーンとかでのスポーツとしての動きに関しては
本当にすごかったです。
激しく動いてる分には違和感なかったです。
声について
声優は昔のアニメ版から刷新したようです。
これに関しては新しい声優が発表されて、
やたらとSNSやらYouTubeのコメント欄やらで
炎上しまくっていたような気がするのですが、
私は個人的にまぁなんでも良いです。
アニメ版スラムダンクにそこまで思い入れが無いので、
あからさまに
「声優までシロートか?」
ってことになっていなければ
本当に誰でも良かったです。
というか、けっこうアニメ版スラムダンクの声の感じに
寄せていっているというか、
声の特徴は旧キャストと同じ系統でしたよねこれ。
桜木花道だけガラッと変わっていますが、
声に関してはそんなに違和感を覚えませんでした。
でもプロモーションの段階で
なんかやたら声優をフューチャーしまくって、
映画内容を全然教えないってのは悪手だなと思いましたね。
スラムダンクという作品が好きな人間って、
声優とか興味ない人間がほとんどじゃないですかね。
ストーリーについて
これにはビビりましたね。
ぶっちゃけプロモーションでストーリーに一切触れてなくて
ただあのスラムダンクが現代に蘇って動いてまっせー!
っていう宣伝しかしていなかったので
この映画じつはもうストーリーなんてもんはなくて
3DCG使って湘北メンバーそれぞれのおさらいをしていく
ってだけの映画なのでは?
とか勝手に思っちゃったりしていました。
いやぁ、
まさかの新ストーリー(?)
というよりも、
原作本編では語られなかった
語り切ることができなかった
宮城リョータがメインのお話でした。
個人的にすごく良かったです。
原作ではあまりスポットライト浴びませんし、
花道と同じお調子者系というイメージで
強い印象を抱くことがなかったキャラでした。
ただ、ちょっと悲しい同情要素がくどい気がします。
鬼滅の売れ方を意識しているのか分かりませんが。
何かのインタビューで、
もっとリョータの日常とかにも踏み込めばよかった
みたいな井上先生のインタビューを見た記憶もあります。
画集第2弾が発売した時だったかな・・・。
原作では
掘り下げ要素ほぼゼロで終わってしまった
唯一の湘北メンバーでしたが
ここへきて、令和となって
がっつりと来てくれましたね。
心に闇を抱えている系のキャラだとは
微塵も思っていませんでしたが
原作であまりにもフューチャーされなかった分
すんなりと違和感なく今回の設定が入ってきました。
そもそも井上先生は1998年に週刊少年ジャンプにて
『ピアス』という読み切りの短編作品を描いています。
りょうたとあやこという登場人物が出てくるのですが、
今回のTHE FIRST SLAM DUNKでの
新設定されたリョータの過去とリンクする部分が所々あります。
この『ピアス』がそのまんまスラムダンクの
リョータと彩子さんではないと思いますが、
井上雄彦ファンとしては、
ファンのみぞ知るみたいな要素でした。
あとストーリーで腑に落ちないところが1つあって
リョータの過去の新設定とかは全然良いんですけど
最後のシーンでアメリカに行って試合してましたよね。
あれ・・・いる?
というかその設定いる?
日本で田臥勇太選手っていう身長173cmの方が
日本人初のNBAの選手になったという快挙を
たしか2004年に果たしたと思うのですが、
それへのリンクというか暗喩というか
そういう感じなのでしょうか。
湘北メンバーって
バスケこそ山王工業に打ち勝ちましたけど
アメリカいけるレベルって流川だけじゃないかなと。
あと野心的にも流川だけかなと。
ワンチャン桜木花道も可能性は有り得ますけど。
なんか殆どのみんな高校でバスケは終えて
まっとうな社会人になるもんだと勝手に思ってました。
演出について
けっこうレビューとか見聞きしていると
名シーンがさらっと終わって
淡々としてしまっているとかってのを
多く聞くのですけども、
ぶっちゃけそんなことないかなぁと。
むしろこのテンポ感が全然良い気がします。
当然、強調すべき動きや表情やセリフのシーンでは
しっかりそこに音楽も合わさって演出されているし
全っっっっっく違和感なかったです。
いやむしろ演出上手かったと思います。
音楽の使い方だったり差し込むシーンだったり
ベストなタイミングでその情緒に合った音楽が流れますし
心の中のセリフのシーンとかでは背景音が
耳を塞いだ時にような音に切り替わりますし
あの演出好きですわ~
ただ気になる箇所で言うと、
声が聞き取りにくかったってのがありました。
それは声優さんの問題なのか、
BGMやSEの問題なのか
わかりませんけど
かぶさって「ん?なんて言ったの?」
ってところは少し多かった気がします。
原作を知ってる人間は補完できたりしますが、
たぶん初めてスラムダンク見た人は何言ってんのか
よくわからなかったところが
多々あったのではないかなと思います。
あと個人的にめちゃくちゃ好きだった演出は
最初のオープニングで
湘北メンバーが井上先生の手書きで描かれて
歩いているシーンのところで
リョータから順にミッチー、ゴリ、流川、花道と。
そしてそっから階段を下りてくるのは誰かと思いきや
山王工業のメンバーっていうね
ここマジで感動しました。
熱すぎます。
ギャグシーンも
思いっ切り全面に出すのではなくて
ちゃっかりした画面の端っこだったり
さりげない部分とかに織り交ぜてるのが
井上先生らしさだなって思いました。
ゴリと花道がタッチするシーンで
そのあと花道の手が赤く腫れていたり。
意味わからないところに花道が突っ立ってて
沢北がびっくりしてボールをルーズするシーンだったり
原作知ってる人間が笑える要素がすごく多かったです。
(リョータと流川が初めて会話するのもめっちゃツボでした)
総括
結論としては、
原作をきっちり読んでいる人は、
最高の内容だったのではないでしょうか。
あの空間はその人たちだけが理解できる世界だと思います。
初めてスラムダンクを見るって人はこの映画を観て
なんのこっちゃ分からんと思いますわ。
各シーンの心理的描写は原作で既に語られていて
今作の映画では本当にただのシーンとなっています。
作画以外は本当に最高でした。
動きのあるシーンは本当に良かったんですけど
やっぱ現代のアニメ作画で
井上画のスラムダンクが見たいですねぇ
映画を観ていて
自分でもなんで俺は涙を流しているのだろうと
思うような場面がたくさんあったんですけど
本当に大好きで読み込みまくった作品が
現代によみがえってきたという
そういう気持ちが大きかったのだと解釈します。
あとやっぱ大人になるにつれてスラムダンクって作品は
読んでいて泣けるんですよね。
自分が初めて読んだ当時よりももっと
色々な人間と関わるようになって
色々な経験を積んで歳を重ねた状態で見るスラムダンクは
あの頃読んでいた視点と違って見えてきますし、
感じ方も解釈も変わってきたりします。
本当に最高品質の作品だと思います。
漫画で一番を挙げる作品はスラムダンクです。
あの頃からずっと変わっていません。
個人的に
映画じゃなくてTVアニメを再リメイクして
原作の最初から最後までを
THE FIRST SLAM DUNKに近しい品質で
井上画の作画でやってほしかったりもします。
バガボンドの連載再開も楽しみに待っています。