どうも、みなさんこんにちは。
今回は『彼方のアストラ』について語っていきます。
この作品は会社の後輩にオススメされていて気になっていた作品だったのですが、結局見ずに今までに至ってしまっていたので、いつか見たいなぁと思っていた作品です。
適当にテレビのチャンネルを回していたらたまたま刺客が判明するネタバレ回を見てしまい、でもいきなりそこから見ても面白かったのでいつかちゃんと見ようと思っていました。
そんな『彼方のアストラ』についてネタバレありで語っていきます!
目次
原作者は
僕は見終わった後に知ったのですが、この作品の原作は週刊少年ジャンプで連載していた『SKET DANCE』の篠原健太さんという方です。
視聴し始めてすぐ、ギャグがやけに『銀魂』に似た何かを感じるなと思っていましたが、篠原健太さんは『銀魂』の作者である空知英秋さんのアシスタント経験があるそうです。
僕自身はSKET DANCE見たことないのでなんとも言えませんが、それを聞いて納得です。
ちなみに篠原健太さんはつい最近Twitterを辞められてしまっているようです。献血のポスターのキャラが巨乳過ぎるとかどうとかってことのゴタゴタに首を突っ込んでいたのか何だかで、けどそれが原因というわけでもないと本人はおっしゃっているようです。
第一印象は中途半端
最初の1、2話見てて思ったのはなんかテンポ悪いしギャグも中途半端に終わるしアリエスの天然ボケキャラも序盤だけで徐々になくなっていっちゃうしで、すんなり見れる感じがせずに「ん?」って引っかかることが多かったです。つい先日見たリゼロは時間を忘れるほどに次が気になる次が気になるってな具合にテンポよく見れていました。
序盤は主にキャラクターたちの人間関係の構築に重きを置くフェーズとなっており、登場人物たちは学校の授業の一環で5日間だけ別の惑星に子供たちだけでキャンプするというもので、全員が初対面になっています。ちなみにこのメンバーたちをB5班と呼びます。
しかし、最初に一気に全てのキャラの良さは流石に伝わってくる作品はないので、これは順を追ってそれぞれしっかりとエピソードが用意されていました。
というか不自然なくらいに他人に対して興味がなかったり、厳しかったりするという違和感があったのですが、後々の設定を知ると少し納得できます。むしろ2周目の視聴で、このキャラの心情とかを考えると…って思うと泣けてきたりして、1回見たことある方は2回目もオススメです。この記事書くためにちょろっと2周目見ようと思ったら結構がっつりと最後までまた見てしまいました。笑
ただ、この不自然な序盤の人間関係のぎこちなさは作中に誰かまともな真人間を置いて、その人がその違和感についてふわっと指摘したり感じたりするみたいなのがあっても良かったと思います。唯一まともな親との環境で育ったアリエスは天然ボケキャラなのでコナンくんみたいに鋭い勘とか他人に対しての違和感とかは特に感じるのもおかしいので、本当の意味でのツッコミ不在みたいな状況です。けど初見で挫折せずに5話くらいまでは見て欲しいですね、確実にハマります。
だいぶ緻密なストーリー
そもそもですがこの物語の直接的な目的なのですが、学校の惑星キャンプに行ったら謎のワームホールにメンバー全員が飲み込まれて気が付いたら宇宙空間を漂っていたという、冷静に考えたらめちゃくちゃ恐ろしい事が起きます。
しかし、そこに何故か無人の謎の宇宙船も漂流しており、とりあえず全員でそこに乗り込みます。
メンバーの1人にめちゃくちゃ機械工学に詳しいザックという奴がいて、宇宙船の操縦経験があるという彼が船を動かし、現在地を調べると、自分らが住んでいた惑星から5千光年離れた場所にいたのです。
全員で協力して子供たちだけで他の生態系のある惑星を経由し食糧などを調達して5千光年先にある故郷を目指すといったサバイバルSFアドベンチャーみたいな感じになっています。
ただサバイバル的な感じに故郷に帰るのではなく、様々な謎も点在しており、そこの謎解きがめちゃくちゃ面白いです。
サスペンス劇
序盤でそれぞれの大体の人間関係を構築し、ある程度の親睦が深まっていき、中盤からこの作品の面白さでもある謎に迫っていきます。伏線の鏤め方と回収が全体通してスッキリしているため物凄く見易く不完全燃焼感もありません。
その謎というのは、まず序盤で起きた謎のワームホール
一番最初に飲み込まれた時以外にも、1つめの惑星で探索していた時にも同じものが現れました。
これが作為的なものだとしたら誰かがB5班メンバー全員を殺そうと企んでいたものなのかもしれないと予測します。しかし殺そうとしたとして、漂流先の宇宙船に乗り込んだメンバーの中に今もなお犯人が潜んでいることになります。犯人は自らの命も絶つということを命じられた自爆行為であるのではという予測が浮上しますが、せっかく絆が深まりつつあるメンバーたちの間にひびが入って逆に混乱を招いてしまうため、犯人探しは一旦やめることにします。
全員を殺そうとするには、このB5班メンバーたちには何か共通点があったりしますが、終盤になるまでその真意には至りません。
中盤のイクリスという惑星で動く植物にやられて宇宙船が航行不能となってしまい、もう故郷の星には帰れないという絶望に陥るメンバーたちなのですが、なんとその惑星で全く同じ型の宇宙船を少し朽ち果てた状態で発見します。
その船には人工冬眠装置というものが備わっており、1名だけずっと冬眠していられるのですが、Help Me! という船に残されたメッセージと共に、稼働中の人口冬眠装置を発見し、中を開けるとポリーナという女性が眠っていました。
彼女がわりと重要となる人物で、物語の現時点での時間軸が西暦2063年で、ポリーナが人口冬眠装置に入った年が西暦2051年となっている。
ポリーナが眠っていた船の故障していない箇所を分離して借用することで、宇宙への航行が可能となり、再び故郷を目指す旅が再開する。
中盤以降からB5班を抹殺しようとしていた実行犯も、特に動きもなくなり、誰も気にするようにならなくなりました。
そして旅の途中で、医者のたまごであるキトリーという女の子が、義理の妹であるはずのフニシアと血液型の細かい部分まで完全に一致することを不思議に思い、ザックにDNA鑑定してもらうことになります。
そこで判明した驚愕の事実が、完全にDNAが一致する同一人物であるということ。これは一体何を意味するかというと、クローン人間であるということです。
キトリーがオリジナルで、フニシアがコピーされた人間というわけではなく、親がオリジナルとなっています。
そして主人公であるカナタも父親の今までの行動や言動を振り返り、あることに気が付きます。
このB5班メンバー全員がクローンであり、一斉殺処分の対象となっていたのだと。
何やらとんでもないぶっ飛んだ展開かと思いますが、僕も最初はそう思いました。が、わりと序盤からの伏線が意外と散りばめられていたりして2周目でも楽しめる要素でもあったりします。
このB5班の一斉殺処分の背景として、ゲノム管理法というクローンを作成したオリジナルの人間は法的に罰せられるという法律がつい最近でき、この自身の記憶をクローンに移して若返りするという計画がゲノム管理法によって頓挫してしまったため、不要となったクローンたちを高校のキャンプでの遭難事故と見立ててワームホールを使い宇宙の彼方へすっ飛ばして証拠も何も残さず処分するという恐ろしい計画なのです。
B5班のメンバーたちはアリエス以外全員自分の親との仲は良くなく、愛情を注がれて育っていないという共通点がありました。
深まる謎
最後の中継となる惑星に着く前に故郷の星が見えてきます。ポリーナが「やっと地球に帰れるのね」と言うと、皆少し「ん?」という表情。そしてポリーナはその惑星の映像を見るや否や、地球と大陸の形が違っていることに気が付きます。いくら10年少々コールドスリープしていたとしても、こんなに大陸が変形するわけなく、少し混乱した様子であの星は一体ナニ?と皆に問うと、カナタが「ポリ姉、地球ってなんだ?」と答えます。
そう、このB5班のメンバーたちが生まれた星は「アストラ」という名の惑星であり、地球ではありません。しかし喋っている言語は共通のもので、姿見も同じ人間の形をしており、西暦という時代の概念も伝わります。
どこか根本的に認識がズレていることに違和感を覚える面々ですが、ここでお互いが知っている歴史の擦り合わせをすることになります。
第二次世界大戦あたりまでの歴史はアストラも地球も同じ歴史をたどっていることになっていましたが、その後の1962年にアストラでは第三次世界大戦が起こっているという歴史でした。ポリーナは第三次世界大戦なんて起きていないと主張、わりと視聴者と同じ感覚を持っています。
アストラでは第三次世界大戦が終わり、人々は平和を取り戻すために国も宗教もすべて取っ払い、人種や国による壁も超えて1963年に世界政府を樹立し、急速に世界は復興していき平和を取り戻し現在に至るようです。
一方地球の歴史を知るポリーナは、国も宗教も根強く存在し、地域や文化の違いによる争い絶えずあるけれども、世界規模の戦争は起こらなかった。しかし、2049年に8年後地球に衝突する隕石を発見します。そのため移住先の惑星を探索するために宇宙飛行士たちは惑星調査をしていました。ポリーナもその一員でした。全人口をどうやって移住させるのかというと、人口ワームホールというものを使う手法のようです。B5班が最初に謎の球体に飲み込まれて気が付いたら遠い宇宙空間にいたというのも、ポリーナがその話を聞く限りではワームホールで間違いないということです。
もし仮に地球とアストラが同じ惑星だったとして、2057年に隕石が衝突しているはずですが、アストラは現在2063年なので6年前に隕石が衝突しているはずですが、そんな事実はどこにもありません。B5班のメンバーたちは高校2年生なので16歳~17歳ですが、6年前にそんな事実がないことも知っています。
ポリーナ自身は隕石衝突を避けるため、人類は移住先の惑星を探索しており、その手段は人口ワームホールで行う。しかしポリーナはイクリスという惑星で宇宙船が航行不能となり、仲間たちも死んでしまったため、人口冬眠装置を使いコールドスリープ状態になります。B5班のメンバーたちに救助され目が覚めたとき、西暦2063年となっており、隕石はもう地球に衝突済のはず。しかしB5班のメンバーたちはこの計画を知らない。
ポリーナがここまでの話を聞き仮説を立てます。地球はアストラという星を発見し、もうすでに移住は完了しており、B5班のメンバーであるカナタたちは、既に移住が完了した地球人の末裔であるということ。
時代の観点が合いませんが、総合して考え得るとこのようにしか考えられません。そして地球にはすでに隕石が衝突し、B5班のメンバーたちが最初にワームホールに飲み込まれて飛ばされた先の宇宙空間のすぐ側には、生体反応がない巨大な氷の惑星がありました。そこが恐らく地球なのであると。
B5班のメンバーたちは、地球からアストラへ向けて旅をしていたということになります。
しかしこれらはあくまで仮説にしか過ぎず、いくら言い合っていてもしょうがないとのことで、ひとまず最後の惑星で食料の調達をすることにします。
刺客は…
最後の惑星で探索と食料調達をしているB5班のメンバーたちですが、カナタはワームホールを使ってB5班を抹殺しようとした刺客のことを気にかけていいます。メンバーの中に紛れているはずですが、結束も団結も格段に強くなっており、除けられていたり、単独行動しようとする者は1人もおらず、このまま何事もなくアストラへ帰れるのであれば深く詮索はしないというスタンスです。ワームホールで転移した後の最初の惑星と、宇宙船内からも仕掛けられましたが、それ以降は刺客も行動を起こさないようになっています。
しかしカナタはそんなことを考えていたら例のワームホールに1人でいるところを襲われました。なんとか逃げ切ることができましたが、ここで刺客がまた行動を起こしてきたということは、最後のこの星で全員を抹殺し、一人でアストラへ帰るという作戦であると踏みました。カナタはこの時点で刺客が誰であるかを知っているようです。
ちなみに僕は初めて『彼方のアストラ』を見たのは、たまたまテレビで適当にチャンネルをまわしていたらここのシーンになっていて、初見でいきなり刺客が判明する回のネタバレを見てしまいました。今回このアニメを最初から見ようと思った時から「こいつが刺客なんだろw」ってスタンスで見てましたけど、それを知っていても尚ここからの展開も中々に熱くどんでん返しが待っていて非常に楽しむことができました。
刺客が誰であるか分かっているカナタは翌日に惑星の探査の体で、他の仲間たちと協力し刺客をハメてワームホールを出すところをばっちりと確認し、現行犯で取り押さえることに成功します。その正体がシャルスという人物でした。
シャルスに与えられた使命は、惑星マクパでB5班のメンバー全員をワームホールで宇宙空間に放り出して抹殺すること。そして自分自身も死ぬことでした。この自身も死ぬというのは命令であり、決してシャルスが自暴自棄にメンヘラになっているからとかそういうわけではありません。
一番最初にワームホールを使った時、皆がクラストスーツ(宇宙服)を着ていたため、宇宙空間に放り出されても助かり、シャルスも予想していなかったことで、たまたま宇宙船が宇宙空間に漂っていたためアストラへ帰るという旅ができました。途中で方針を変え、皆と一緒に旅をして最後の中継惑星でアリエス以外を全員抹殺を実行しようとし、アストラへ帰還しようとしていましたが、シャルス自身もB5班のメンバーたちの結束力には感動を覚えるものでした。
そして最初の段階で確実に殺すならクラストスーツを着ていないときに実行すれば良かったのですが、シャルスは最後に宇宙を眺めながら死にたかったようです。
こいつメンヘラか中二病かと思いますが、シャルスにも同情できるような事情が実はありました。
アストラにはヴィクシア王政地区という、旧時代(現実の地球)の生活を送っている貴族階級のような人間たちがおり、シャルスはヴィクシアの王であるノア・ヴィクスのクローンでした。
カナタたちはこの旅の道中で自分らがクローンであるということを知りましたが、シャルスは生まれた時から自身が王のクローンであり、クローン計画のために王の肉体となるということを知って生きていました。
その事情を知る王女がおり、その名はセイラ。シャルスは幼少時代から城の外へ行くとことは許されていなかったため、王女セイラとよく遊んでいました。セイラはクローン計画に関しては否定的な考えを持っており、シャルスの素性も知っており同情しています。そしてセイラ自身にもクローンが自分の知らないところで勝手に作られていたことを知り、王女セイラの侍女であるエマという女性がセイラの意向とエマの意向が一致するため、何の罪もないセイラのクローンをエマが母親として王政地区から逃がして普通に暮らすようにさせました。ちなみにエマは代理母として遺伝子は違えどクローンの出産を担当しています。外界へ逃がす際に、セイラのクローンの名前をセイラがアリエスと名付けます。そう、アリエスは王女セイラのクローンなのです。
ちなみにSEIRAを反対から読むとARIESと、アナグラムになっています。
王女セイラのクローンであるアリエスは無事に外に逃がすことができ、幸せに生活することをできておりますが、王のクローンであるシャルスは、王自身のクローン計画である存在のため、逃がすことはできません。
しかしシャルスは、昔からそのように教育をされてきたため、特に何が悲しいとか残酷だとかは理解でておらず、王のために死ねるといった思想を持って育っております。
数年後、王女セイラは何者かによって暗殺されてしまい、一緒にいたセイラの付き人でもあったシャルスは投獄されます。そしてさらにゲノム管理法が成立し、クローンを作った人間は法に裁かれるため、クローン計画を隠蔽するためにB5班抹殺計画というものが実行されるのでした。
シャルスは最初こそは与えられた使命の元にB5班メンバー全員を抹殺する計画でしたが、この旅を通じて自分の不甲斐なさのために王女セイラを死なせてしまった罪を償うため、アリエスだけをアストラへ帰し、彼女を王女セイラとして復活させたいという私情も混ざってくるようになっていました。
王の使命のままに道具として生きてきたシャルスでしたが、この旅で仲間と協力して困難を乗り越えていくことを経験し、少しず自分の好きなこと、やりたいことも芽生え叶えていたりもします。そして何より外の世界を知れたことを何よりの喜びに感じ、この地球からアストラへのB5班一行の旅を誰よりも楽しんでいました。
シャルスが刺客であろとうと共に協力し合って過ごしてきた時間は偽りではなく、そして団結だけでなく友情もB5班メンバー全員に芽生えています。王の命令で生きてきたシャルスですが、クローン計画を告発してアストラへ帰れば王の命令だろうが通用せずに自由に生きれるので、B5班メンバーはこのまま一緒にアストラへ帰ることを必死で説得します。王の命令とB5班で培った友情とで、感情が揺さぶられているシャルスですが、彼はワームホールを出して自殺しようと試みます。カナタの身体能力で回り込み、シャルスの身をかばう形となり、カナタも巻き込んでしまうため、シャルの情が勝りギリギリでワームホールを解除しました。しかしそのときカナタの右腕だけワームホールに触れていた状態となってしまっていたため、右腕だけワープしてしまい、カナタの腕を切断する形となってしまいました。
キトリーが医療知識があるため応急処置をして一命を取り留め、シャルスも取り返しのつかないことをしてしまったと悔やみ、アストラに着くまで自身を監禁し警察に突き出してくれと提案しますが、腕が犠牲となったカナタはシャルスのことを恨んでおらず、その代わりこれからは自分の為に生きろと。
B5班メンバーもシャルスのことを信用し、受け入れてくれます。
シャルスもこの旅を通じて自分になることができ、オリジナルとして生きたいと強く思うようになりました。そしてみんなと共にアストラへ帰りたいと、思いは一緒です。
アストラの真実
シャルスが完全に心を許したことによって、ヴィクシア王政地区というものの存在と、アストラという惑星の本当の歴史をシャルスが語ってくれました。
そもそもヴィクシア王政地区というのは、アストラの歴史の秘密を守るために作られたものでした。
その秘密というのが、ポリーナが言っていた移住計画というものが存在し、2057年にワームホールを使って移住が完了しました。直後に地球には予測されていた通りに隕石が直撃し、氷河期が訪れ氷の惑星と化しました。
そしてワームホールというとてつもなく便利なものの存在があっては、また争いが起こらざるを得ないため、2063年に世界統一政府というものが発足し、平和のためにワームホールを封印しました。
しかし地球からアストラへどうやって移住したのかという矛盾が生まれるため歴史を改ざんし、西暦を100年戻して1963年に第三次世界大戦が勃発し、世界統一政府が発足したと偽りました。
どれだけ正解統一政府が言い張っても、当事者である当時の人間の記憶には存在し得ることですが、教育方針や法律を駆使し、口を紡がせ、やがて真の歴史を知る人間もいなくなっていきました。
なのでカナタたちは現在が西暦2063年と思っておりましたが、歴史を100年マイナスで偽っているため本当は2163年となります。そしてポリーナも移住が完了する前の状態で遭難し人口冬眠装置で眠っていたため、眠っていたのは12年ではなく実際は112年なのでした。
歴史を知ったところで、このまま故郷へ帰ったとしてもオリジナルである親たちやヴィクシア王政地区の偉い人たち揉み消されまた何か行動を起こされてしまうため、あらかじめこちらから動くことにします。このB5班のメンバーの中には政府を牛耳っているオリジナルのクローンであるルカという人物も混じっているため、普通のマスコミに情報をリークしてもルカの親に揉み消されてしまう可能性が十分に高いです。
しかしB5班のウルガーには政府と繋がっていない有名なジャーナリストの伝手があり、故郷への帰還直前にそこへリークし事件を世間に認知させました。
帰還
ウルガーの知り合いの政府と繋がっていないジャーナリストへのリークのおかげで、行方不明となっていたケアード高校の生徒たちと証明出来る写真も添付されていたため、クローンのオリジナルで親たちは逮捕され、そしてヴィクシア王政地区の王も、殺人教唆・殺人未遂の容疑で逮捕されます。王なら大丈夫なんじゃね?って思ったけどシャルスのリークも相まってか法律のほうが強いみたいです、笑
B5班は無事にアストラへ帰還することができ、クローンであるという告発も揉み消されることなく世間に知れ渡り、そして宇宙を漂流して自力でアストラまで帰ってきたことで世間的に注目を集めます。
もともと心の繋がった親はいなかったけど(アリエスは除く)B5班という強く深い絆が結ばれ、これらは永遠に消えることのない体験となり、血のつながりがどうとかというよりも、心で繋がっている人らを得ることができた、とても貴重で有意義で成長をさせてくれました。
B5班のメンバーたちはその後、王政地区の在り方や真の歴史について世間に訴えかけ、本当の人類の歴史を世間が知ることができるようになり、アストラも少しずつ人間らしさを取り戻していきました。カナタたちはケアード高校を卒業し、それぞれの道を歩むのですが、カナタは今回の宇宙の旅を本にしたことで、自分の宇宙船が買えるほどの富を得ることができ、アストラ号を買い戻しザックを操縦士として自身の夢でもあった「スターアイランド探査」を立ち上げ、未知の惑星の調査業務を請け負う。
最後のシーンではカナタが新しいワームホールを設置する候補地の調査のため、アストラ号にザックとシャルスと共に飛び立つシーンで終わります。
最後はまぁわりとご都合主義的な感じで、話を膨らませようとすれば膨らませられるけど、平和的に大団円で終わるすっきりとした終わり方でした。むしろ無駄に引き延ばしたりしてグダグダになるより、こういう終わり方をする作品も好きです。
僕自身、あまり仲が微妙な人とかと関わるのがそんなに好きではない性格なのですが、意外とワンピースやスラムダンクとかの人間関係やチームワークや仲間っていうところが肝になっているような作品が凄く大好きで、この彼方のアストラもそれに漏れることなく物凄くキャラ立ちがしっかりしている作品で、最初に見た時と印象が全然変わりました。
各キャラに愛着が持てるようになれるってのが素晴らしいですね。
主な登場人物
存分にネタバレをした後に、キャラクターを紹介します。
主にB5班メンバーを自分なりの見解で紹介していきます。
カナタ・ホシジマ
年齢:17歳 誕生日:5月5日 身長:181cm 体重:71kg
本作の主人公で将来の夢は宇宙探検家。
父親にはアスリートなるように育てられてきたが、中学の時に出会った恩師には何をやりたいかで選ぶべきだと助言をされて、強く影響を受けている。
今回のB5班のキャプテンを自ら立候補するが、少し抜けているところもあるためか中々信頼を得ることができずにいたが、宇宙へ漂流してからの旅の途中で窮地に陥った時にみせるリーダーシップから、他のメンバーからもキャプテンとしての信頼を得ていく。
基本的には脳筋みたいなキャラで勉強とか得意そうではないが、物事の本質や道理をしっかり捉えてはっきり物を言う性格。もしかしたら頭も良いのかも。
帰還から7年後にアリエスと結婚し、夢であった宇宙探検家としてしてスターアイランド探査を立ち上げて宇宙を冒険する。
アリエス・スプリング
年齢:17歳 誕生日:4月20日 身長:162cm 体重:52kg
本作のヒロイン兼もうひとりの主人公
モノローグは基本的にアリエス目線での語りとなってり、B5班の書記担当で冒険日誌を付けている。
誰とでも仲良く接する性格で天然なところもあり他人からはよく空気が読めないと言われることがあると自称している。実際かなりボケを連発しているが、本人的には完全に天然でやっており、ツッコミが不在だと悲惨なことになりそう。
一度見たものは忘れない映像記憶能力があり、食欲が旺盛で3時のおやつはかかさない。
ヴィクシア王の一人娘の王女セイラのクローンである。
もしかしたら王女セイラもわりと天然な人だったのかもしれない。
笑い方が少し変であるが、王族のクローンであることが由縁。
意外としっかりしているシーンも多く、もはや作中の中盤くらいから天然キャラが掻き消されていたような気さえもしてくるが、終盤でまたその本領を発揮していた。
B5班の惑星キャンプでの目標は全員と友達になることであったが、漂流した旅はそれ以上の絆を得たに違いないことでしょう。
ザック・ウォーカー
年齢:17歳 誕生日:6月9日 身長:185cm 体重:76kg
IQが200以上ありこの年齢にして宇宙船の操縦ができる。
あまり感情的ではないが、意外と面倒見がよく人としてもかなりデキる。
仲間を生き延びさせるため、常に冷静でいることが自身の役割だと考え実践している。
キトリーと幼馴染で、子供のころの結婚の約束を覚えており、ザック自身はずっと結婚するもんだと思っていた。キトリーはザックのことが好きであったが、まさか子供の頃の約束を今も信じているとは思っていなかったよう。
子供の頃の約束を度返しにしてもキトリーのことは好きである。
帰還から7年後、結婚したキトリーを置いてカナタとシャルスと共に冒険の旅に出る。
キトリー・ラファエリ
年齢:17歳 誕生日:6月1日 身長:157cm 体重:43kg
明るく元気でわがままで勝気な女性
家は病院で医学知識があり、仲間が窮地に陥った際はかなり頼れる存在。
母親から愛情を注がれて育っておらず不仲であるが、親という存在の無償の愛をどこか信じていたものの、クローン計画の真相を知り、自分はただの道具でしかなかったという事実に激しく動揺してショックを隠せない様子だった。
義理の妹にフニシアという子がおり、仲は良くなかったが今回の冒険を経て非常に仲良くなる。義理の妹で血も繋がっていないはずなのに、なぜか容姿が凄く似ているため、DNA鑑定したところ完全に一致する同一人物であることが分かった(クローン)
帰還から7年後はザックと結婚しているが、髪型が個人的にすごく残念な感じになっていて、この頃のキトリーに戻ってほしさが非常に強いです。
フニシア・ラファエリ
年齢:10歳 誕生日:10月19日 身長:136cm 体重:31kg
今回の惑星キャンプはケアード高校2年生の授業の一環であったが、その実態はクローンの一斉殺処分であるため、フニシアも適当な言い分で参加することとなった。
誰にでも臆せず話しかけていける性格で、キトリーと全く同じ遺伝子を持つが性格はわりと温厚で少しだけひょうきんなところもある。
パペット人形を使って話すこともある。
冒険初期の時から人とあまり接しようとしなかったウルガーとコミュニケーションを図り、意外と懐いている様子でもあった。
帰還から7年後はケアード高校に通い、当初にキトリーと非常に容姿が似ている。
ウルガーとも好意的に接している。これはワンチャンあるのかもしれない。
ルカ・エスポジト
年齢:17歳 誕生日:8月19日 身長:162cm 体重:47kg
お調子者な性格でツッコミ担当することも多々ある。
手先が器用で絵も上手く、なにかと頼りになる存在。
父親は上院議員で、クローンのオリジナルである人物は父親ではなくフェリーチェ・ジェンマという人物のクローン。
性別が判別しづらいインターセクシャルであり、男でもあるし女でもあるような肉体となっており、クローンのオリジナルの願望によって改造されている。
帰還から7年後はちょっと女性っぽくなっているような感じで、ウルガーとは相変わらずの仲のようである。これもワンチャンあるのかもしれない。
ウルガー・ツヴァイク
年齢:17歳 誕生日:8月30日 身長:165cm 体重:56kg
単独行動大好きそうな一匹狼な感じでいたが、今回の冒険を経て徐々に心を開いていき彼なりにメンバー全員を信頼するようになった。
ルカとはわりと序盤から仲が良かったが、自身の兄がジャーナリストをやっていて、政治家によって殺されてしまい、自分がいつか復讐してやるというような野心をもっているが、その政治家がなんとルカの父親だった。
ルカもクローンであるため父親と仲は良くなく、同じ境遇で育ったことで親子だからどうとかっていう考えは改めた。
シャルスが刺客だったと判明した時も、一緒にアストラへ帰ろうと声を張って呼びかけており、クールそうにみえて非常に人情深い面もある。
帰還から7年後は当初からの夢であったジャーナリストになり、色々なところを飛び回っている。
ユンファ・ルー
年齢:17歳 誕生日:8月25日 身長:179cm 体重:67kg
母親からは自己主張するなと言い聞かされて育っているため、自分を表現するのがとても苦手で最初の頃はめちゃくちゃ根暗な感じで存在意義さえもよく分からなかった。
母親は歌手で、クローン計画によって自身が若返った時に、クローンである肉体を目立たせないため自己主張をさせないように育ててきていた。
冒険を経て自分がやりたいことや自分が思うことをもっとさらけ出して良いということに仲間から気付かされて、自身の歌声で癒されるメンバーもいることから自分に自信を持つ
帰還から7年後は歌手となり、かなり広い会場を満員にしている。
シャルス・ラクロワ
年齢:17歳 誕生日:4月28日 身長:176cm 体重:58kg
非常にイケメンでカナタからはちょっとムカつくなと言われているが、行動のひとつひとつにイケメン要素を兼ね備えている。ただ、生物が大好きで未知の惑星で出会った生き物たちを見るや否や非常に興奮して楽しそうにしている。
アリエスと同じく笑い方が変であるが、これも王族のクローンであることが由縁。
帰還後はクローン一斉殺処分の実行犯だったが洗脳状態であったこと、B5班メンバーの擁護もあり罪に問われることはなかった。
ヴィクシア王政地区の現王であるノア・ヴィクスがクローン計画によって逮捕されたため、同じ遺伝子を持つシャルスが王位を継承した。その後は政治的権力を放棄し、王家が隠匿していた「アストラの秘密」を歴史研究のために公開した。
7年後にカナタが立ち上げた会社の初仕事の宇宙探査に生物学者兼料理人として同乗する。
ポリーナ・リヴィンスカヤ
惑星イクリスのアストラ号(アーク12号)と同型の宇宙船(アーク6号)で、コールドスリープ状態になっていた宇宙飛行士の女性。
2051年に人口冬眠装置でコールドスリープ状態で眠っていたが、アストラの歴史が100年偽られていたため112年眠っていた地球で生まれた人間。
B5班メンバーの男性陣とキトリーからはポリ姉と呼ばれている。アリエスとかからはポリーナさんと呼ばれている。
帰還から7年後はケアード高校の非常勤講師となり、地球と惑星アストラとの関係について知る旧時代の証人として大学での講演やインタビューなどとカナタたちよりも多忙な日々を過ごしている。
SF警察
Amazonのプライムビデオで見たのですが、すごくいい作品だったなぁと思いながら見終わった後にレビューを覗いてみたら、わりと批判的なものが多くてびっくりしました。一体この作品に誰か殺されてしまったのかという憎悪が渦巻いているかのような。
そもそも現実として有り得ないといういちゃもんを付けている人も結構多く、いや、これ、フィクション作品だから現実をそこまで忠実に再現して細部まで描かなきゃダメなの?っていうツッコミを入れたくなるようなものもありました。
自分の科学的な知識を披露して作品に対してマウントを取りたいのかそのさもしい心情は分かりませんが、エンターテイメントとして物語の起承転結やキャラクターの相関や掘り下げられて判明していく世界設定とか、そういうところに面白みを感じられないのであれば、この彼方のアストラだけに限らず、作り話や創作に触れない方が健全な生き方をできるのではないでしょうかね。
一体なにが楽しく、何を期待してこの作品を視聴しようと思ったのか、そしてどうなっていれば満足できたのか、物語の運びやベースラインを説明してほしいと思ってしまいました。
でもたしかに初見の序盤は僕もめちゃくちゃ退屈に思ってしまいました。
案の定そういうレビューもあり、2話くらいで見るのやめてしまったみたいなのもあった気がします。でもこれ5、6話くらいまで見て欲しいですね。そこまで見ても面白いと感じないのであればそれはその人の感性だと思うので無理して勧めはしませんが、個人的にはそこらへんあたりから徐々に謎が浮き彫りとなってどのように回収されていくのかが楽しみで続きの話が気になって仕方ありませんでした。
そして全話見た後に、もう一度改めて見る初見の時は退屈に感じた序盤の話でさえも微笑ましいほどに楽しく見られる作品になっていると思います。