フルーツバスケット -3期名言-

11話~12話 (page.6)

11話

足が 勝手に逃げました
夾くんから
おかしいです 変です
こんな予定ではなくて
もう一度 会った時には
笑おうって 決めていたのに

本田透 (The Final 11話)




だめです
全然だめです
全部 全部が終わったって
私の役目は もう何もないんだって
理解したあと
そのあとは

胸が 痛い
痛い
痛い

その名前を聞くだけで
突き刺さりそう
こんな自分はだめです
いつまでもうじうじ引き摺ってはだめです
困らせてしまう みなさんを
夾くんを
それは絶対にだめです

笑え
笑え
笑え…!

本田透 (The Final 11話)




もう一度 会った時には
笑おうって 特訓もしたはず
ですのに 無駄な努力でした
やっぱり私は
全然だめです
それでもいいって思ったのは
嘘ではないのに
隣に 私はいなくたっていいって
かまわないって
覚悟したのに

隣に居たい
居られないことが
悲しい
悲しい…!

本田透 (The Final 11話)




ま、待って、ください…!
しばし…

──
制御できない 上手に
止まれ 止まれ
涙止まって…!
困らせたくない
嫌われたくない
これ以上
幻滅されたくないのに

本田透 (The Final 11話)




俺 自分のことばっかりだったな
自分の懺悔ばっかして
言いたいことだけ言って
お前の気持ちなんて無視した

そしてそのまま
謝れないまま
二度と会えなくなることも
この世では起こり得るんだって
知ってた はずなのに
似たようなことを繰り返すなら
それは 知らなかったのと変わらないよな

ごめん
泣かせて
たくさん傷付けてごめん

これが最後だ
最後でいい
二度はいらない
今度こそ最後のチャンスをくれないか

お前と一緒にいたい
これから生きてくなら
お前と一緒がいい
お前じゃなきゃ嫌だ
好き…だから

草摩夾 (The Final 11話)




そ、それ…は
じゃあ…
隣にいても…良いってことですか…
て、手を繋いで…一緒にいても
良いって…

本田透 (The Final 11話)




もう 繋いでる

草摩夾 (The Final 11話)




何十回 何百回 何千回
言われ尽くされた言葉でも
それでも こんなのやっぱり
夢みたいです
夾くん

本田透 (The Final 11話)




断っとくけど 二回目だからな

草摩夾 (The Final 11話)




自力で思い出してくれ
でないと さびしいだろ


抱きしめて いいか
すぐ人じゃ なくなるけど
一緒にいるってことは
この妙な体が原因でお前を苦しめる時が…

草摩夾 (The Final 11話)




夾くん
夾くんご存知なかったですか
私 夾くんが大好きなんです

大好きです 夾くん
それはとっても、無敵です

本田透 (The Final 11話)




そっか…
じゃあ、俺も…無敵か
なんも怖がること…ないか

お前がいるなら

草摩夾 (The Final 11話)




さようなら

草摩慊人 (The Final 11話)




妬ましかったんだ
結局 お前のこと

僕よりずっと
綺麗だから

草摩慊人 (The Final 11話)




私、綺麗じゃないです
どうか 綺麗だとか
そんなものに小分けして分類して
距離を置かないでください

私を綺麗だとおっしゃってくださるのなら
慊人さんだって 綺麗です

寂しいと 怖いと泣いた慊人さんは
痛々しいほど無垢で
純粋です

私はそんな慊人さんが望む世界を
壊そうとしている人間です
正しいとか 間違いとか関係なくて
慊人さんをたくさん傷付けていることに
変わりはないです

でも
それでも
慊人さんとお友達で在り続けたいと
願います

本田透 (The Final 11話)




出会いを
始まりを信じるのは
それからでも 遅くはないって

草摩慊人 (The Final 11話)




昔々
あるところに
その人は居ました
ずっとずっと前から
一人で居ました
山を下りれば
多くの人が暮らしていることを知っていました
けれど 一人で居ました

千の力を持ち
千の命を持ち
千の記憶を持つ自分は
人と違っていることを知っていました
その人は 人を恐れていました
傷付くことを 恐れていました
多くの力を持ちながら
多くの人と違う自分を
恐れていました

そんなある日
一匹の猫が訪ねて来ました
突然の来訪者にひどく困惑していると
猫は恭しく頭を下げ
「以前よりあなたのお姿を拝見しておりました
 あなたは大変不思議なお方
 あなたに惹かれて止みません
 私はただの野良猫だけれど
 どうかおそばにおいてください
 どうか 神様」

それから猫は
その言葉通りそばを離れませんでした
片時も離れませんでした
神様はそれがとてもとても嬉しくて
ふと思い付きました
「そうだ 人と違う者たちとなら
 私は仲良くなれるのかもしれない
 私と同じ思いを知る者となら
 楽しい宴を開けるかもしれない」

神様は招待状を
たくさん たくさん書きました
たくさん たくさん送りました
すると十二匹の者たちが
神様のもとへやってきました

それから
十三匹と神様は
月の輝く晩の度
宴を開きました
歌い踊り
神様も初めて声を上げて笑いました
人とは違う者たちの宴を
月も静かに見守りました

けれどある晩
猫が倒れてしまいました
それは寿命というもので
どうにもできないことでした
みんなみんな泣きました
みんなみんな気付いていました
いつか みんな死んでしまう
宴は終わってしまう

どんなに楽しくとも
眩いほど大切に思っても
いつかは…

神様は
ひとつまじないごとを唱えると
円をくるりと盃に描き
それを死にかけた猫に一舐めさせ
みんなに向かって言いました
私たちの絆を
今ここで永遠のものとしよう

たとえ私や みんなが死んで朽ちても
永遠の絆で繋がっていよう
何度死んで 何度生まれ変わろうと
同じように また何度でも宴を開こう
みんなで仲良く いつまでも
私たちは不変であろう

みんなは大きく頷くと
鼠が最初に一舐めし
次に牛、虎、兎と順番に
契りの盃を分け合いました

最後に猪が舐め終わる頃
猫が息も絶え絶えに泣き出していました
「神様 神様
 どうして私にそれを舐めさせたのです
 神様 私は永遠など要りません」

それは 思いがけない言葉でした
神様やみんなにとって
拒絶の言葉でした
みんなみんな悲しくなって
猫を詰り諭しました

それでも猫は言いました
「神様 神様
 怖くとも終わることを受け止めましょう
 寂しくとも去り行く命を受け入れましょう
 神様 私は一時でもおそばに居られて幸せでした
 もしもう一度
 互いに死んで生まれ変わって
 出会うことができたなら
 今度は月夜だけでなく
 日の光の下で笑うあなたに会いたい
 今度は私たちだけでなく
 人の輪の中で笑うあなたに
 私は会いたい」

猫は最後に尻尾を振ると
ぱたりと死んでいきました

けれどもう
誰も猫には構いませんでした
みんなは猫に裏切られた気持ちで一杯でした
それからしばらくすると次々に
みんな死んでいきました

最後に龍も死んでいき
神様はまた 一人きりになりました
そうしてついに
神様も死にゆく日を迎えました

けれど 怖くはありませんでした
みんなと交わした約束が
支えになっていたからです

また 宴を開こう
もう一度 何度でも
いつまでも変わることなく
今は一人で寂しくとも
あの約束の向こうで
みんなが待ってる

今は遠い 昔の話
誰もが忘れた 最初の記憶
最初の約束

- (The Final 11話)




もう いいよね
もう 父さま
僕は特別でも 神様でもなくて
ただの僕になっても
いいよね

僕は
僕の人生始めても

僕… 僕は…
つらくて 怖くて
なんの取り柄もないけど



────さようなら

草摩慊人 (The Final 11話)




さようなら、みんな

お別れが寂しい
とても寂しい
別れは出会いの始まりだとか
終わりがあるから始まりがあるとか
そんな、ありきたりなセリフ
今は 聞きたくもない

どうか一緒に 泣いて

どうしようもないことならせめて
今は一緒に泣いてほしい

体ごと叫ぶように
当たり散らすように

草摩慊人 (The Final 11話)




持っていたもの失くして
保障なんて一つも無くて
もう一度
この世界で生きていく恐怖を

ひとかけらの希望を糧に
せめて 一緒に
泣いて
泣いて
泣いてほしい

この世に初めて生まれ落ちた日のように

さようなら
さようなら
さようなら

草摩慊人 (The Final 11話)




呪いになってしまったのは
いつから
重荷になってしまったのは
いつから

幸せだった あの日々
別れがたかった あの時
そこに愛は存在していたはずなのに
時は流れて 人は変わって
苦しめるだけになってしまって
ごめん
ごめんね

だけど
擦り切れた約束を
最初の形を失くした約束を
背負い続けてくれたみんなに
一番 一番伝えたいのは
ありがとう
ありがとう

遠い遠い昔の話
誰もが忘れた最初の記憶

猫の言葉が叶ったのは
それからずっと ずっと
あとのお話

神様 (The Final 11話)




12話

嬉しかったんだ
くすぐったいほど

大勢の人がいる中で
自分一人だけを見つけ出してくれたこと
今も

自分以外の人間が
自分のことを思ったり探すのは
当たり前なことなんかじゃない
奇跡みたいに 幸福なことなんだ

草摩由希 (The Final 12話)




すいません、突然…
私、お渡ししたいものがあって…

あの、これ、本田先輩の…お見舞い
私が渡すの 変だし
会長 渡してもらえますか
お風呂セットにしてみました


私…

お礼がしたくなったんです
本田先輩に

私 会長みたいな人が
この世にいてくれたこと
嬉しくて
そんな会長を守ってくれていたなら
感謝…したい、から

だって 会長が
例えば本当に小鹿みたいに弱くたって
そんな会長だったから
私みたいな人間に気付いて
声をかけてくれたんだって
思う…から

そんな会長がいてくれたこと
本当に 嬉しいから…

倉伎真知 (The Final 12話)




そういう由希だから
分かってもらえる人が
待ってる気がする

草摩潑春 (The Final 12話) “2nd Season 14話




こんなところに
居たんだね

見つけてくれて
ありがとう

草摩由希 (The Final 12話)




君が最後…だね
遠い遠い 約束を
守ってくれて ありがとう
…ありがとう

誰もが忘れた最初の記憶
最初の約束

さようなら

神様 (The Final 12話)




ご、ごめん…突然
ただ、ずっと一緒に居た人と…
別れて…

一緒に居たけど…
一緒に居るのが…
ずっと、つらくて…重荷で…

なのにいざ別れたら
こんな…
俺、ずるいね…

草摩由希 (The Final 12話)




うん…会えない

代わりに俺に
自由をくれた

ごめん
訳が分からないよね
聞いてもらいたかったこと
もう少し違ってたんだけど
今はこれで 十分なんだ

草摩由希 (The Final 12話)




あ、あの…じ、実は私も
聞いてほしい話…あります

名前で呼んでも…
いいですか…?

倉伎真知 (The Final 12話)




ゆ…、由希

倉伎真知 (The Final 12話)




彼は元から
ひとりでも平気そうに見えた
それが妙に腹立たしくて


──紫呉は、僕のこと好き?

草摩慊人 (The Final 12話)




浮気、サイッテー

草摩紅葉 (The Final 12話)





大丈夫だよ
少なくとも俺達は凍ってないと思うし
ちょっと不安だった
呪いが解けたら
俺達、ぎこちなくなっちゃうのかなって

草摩由希 (The Final 12話)




そうとも由希
僕はいつでも
君をすっごく見守っているのさ

案ずるなかれマイブラザー
ぎこちなくなどなりはしないさ
先人たちが残した格言にあるだろう

赤信号 みんなで渡れば怖くない と

草摩綾女 (The Final 12話)




プレゼント
お別れを記念して

草摩紫呉 (The Final 12話)




嫌い!!
嫌い…大嫌い!!
そうだと思った!!
紫呉が一番…
一番あっさり僕を捨てると思ってた!!
嫌い…嫌いだ!!
大嫌い!!

草摩慊人 (The Final 12話)




誰が…
捨てるなんて言いましたっけ

お父上が望まれた自分と
ようやくお別れして
新しい君に生まれ変わるんでしょ

だから記念に
プレゼント

おめでとう
新しいあなたを歓迎しますよ

これからどう生きていくのか
楽しみです

草摩紫呉 (The Final 12話)




君たちが
ようやくありのままの姿に戻れたように
僕も ありのままの姿に戻る
君たちは自由だ

遅くなったけど
今まで

今まで苦しめて
ご…


──酷いことばかり、したのに

草摩慊人 (The Final 12話)




僕は
紫呉が一番
いつだって 怖かった

だって
紫呉が一番遠くにいる気がした
一番束縛できなくて
一番僕を恐れないで
絆なんて在っても無くても
紫呉が一番僕を突き放してた

草摩慊人 (The Final 12話)




余裕かましてふらふらしてなきゃ
爆発しそうになる

手に入ったと思ったら
他の奴らのもとへも
ひらひらと舞い飛んでいかれて
裏切り者

草摩紫呉 (The Final 12話)




僕はずるくてお子様だから
自分が傷付くなんて嫌だし
損なんてごめんだ

一度手に入れたなら
絶対に手放したくないし
誰にも触らせたくない

そうだね
拒絶するなら今のうちにどうぞ
おかげさまで僕も多少譲歩を覚えたつもりだから
逃げ出す猶予を君にあげるよ

でももし
もう一度僕の元へ来たのなら
…わかるよね

草摩紫呉 (The Final 12話)




ひどい ずるい
まるで自分には悪い所は無いかのように
本当に子供だ

そのくせ
ひとりでも平気そうな
すました顔して
腹立たしい
振り向かせたくなる

その 身体すべてを飲み込みたい
細胞中 骨の中まで
深く 深く侵入して
飲み込んで 滲み込ませて
僕の匂いで満たし尽くして
息もつけなくさせてみたい

この気持ち 欲望は
女の内から溢れ出るの?

草摩慊人 (The Final 12話)




みんな 驚いてた
複雑そうだった
謝ろうとしたけどできなかった

形にしたら
それで終わりにしてくれって
言ってるみたいで

僕はまだ
ここで生きていこうと思う
やるべきことが あると思う

だって僕は これでも
当主なんだから

草摩慊人 (The Final 12話)




つまり
そういう人生に僕も付き合えと?

草摩紫呉 (The Final 12話)




怒ってるの?

草摩慊人 (The Final 12話)




少しね
だって君が もう一度来るのを
ずっとずっと待っていたんだ

遅かったね
似合ってるよ 綺麗だ

草摩紫呉 (The Final 12話)




好きですよ
僕を求め続けてくれるなら

草摩紫呉 (The Final 12話)




俺、卒業したら
ここを離れたいって思ってるんだ
あ、違うぞ 変な
後ろ向きな考えとかじゃなくて

俺、これまでずっと世の中を避けてて
関わらないように生きてきて
それをどっかで許されてたし
甘えてたと思う

でももう違う
俺は普通の人間で
普通の人間として
お前と世の中を生きていける
それが嬉しいんだ

だからもっと
もっと関わりたい
試してみたい
自分を 違う場所でも

できれば お前と一緒に

草摩夾 (The Final 12話)




ここを離れて どちらに行かれるのですか

本田透 (The Final 12話)




師匠の知り合い筋の道場で
ここからずっと遠いところにある

まずはそこに
働きながら通おうと思う
それっていつか
師匠の道場を継げた時
絶対役に立つと思うんだ
そういう外で得た経験ってやつは
全部 良いことも悪いことも

青くさいこと言ってるって分かるよ
お前を好いてる奴らと引き離すことになるって

でも俺
もう自分を誤魔化す生き方…

草摩夾 (The Final 12話)




はい
誤魔化す必要などひとつもないです
師匠さん
喜んでいらしたのではないですか
そのお話をされた時

夾くんが 未来を語ってくれること
生きると 望んでくれていること
嬉しくて 嬉しくて

ですから
私も行くのです
一緒に

本田透 (The Final 12話)





これでも譲れないことならば
決して譲りませんですよ
けっこう頑固なのです

そうなのです
私の意思で決めるのです
ですからひとつだけ
夾くんに意見します

お母さんは夾くんを恨んでなどいません
もし本当に
許さないと言ったのだとしても
それは憎しみから生まれた言葉などではありません
絶対 絶対です

私 譲りません
夾くんと一緒に行きます

みなさんと離れるのは確かに
さびしいです
けれど 夾くんと離れるのは
もっと さびしい

いつもそばに
隣に居たいです
離れるのは嫌です
待っているのは嫌です
連れて行ってください

本田透 (The Final 12話)




いいか 連れて行くけど
約束 守るよ
随分 遅くなったけど
一生分 守るよ
いいよな

草摩夾 (The Final 12話) “The Final 8話




だめ だめだ…
どうしよう
何も聞こえない
痛みも無い
ねぇなんで?ねぇ
嘘だろ
こんな…だめだ、透

私、死ぬみたい
どうしよう やだ
やだよ 死にたくない
だってやだよ 透
あの子一人を置いて
こんなのってない
私がいなくなったら
あの子 どうなるの…?

あの子 まだ高校生になったばかりで
まだ 子どもで
まだ… まだ…

勝也…私分かった
置いていくのも
置いていかれるのも
どっちも つらいね

ごめん ごめんね 透
私ちゃんと愛せてた?
透 私はね
もっともっと愛したかった

誰か… 誰か…!
守って…
お願い…
誰か…ねぇ…誰か…
私の宝物…守って…誰か!
だれか・・・


お願い
私のこと忘れても
あの子に会ったらどうか
思い出して…

次にあの子が迷った時は
今度こそ…見つけ出してあげて
どうか…

ツケ…払ってくれなきゃ…
許さない…から…


どうか…お願い
私の代わりに
あの子を 守って…

本田今日子 (The Final 12話)




ああ…
ごめんね…
お別れみたいだ

どうか
透が幸せになりますように
どうか
たくさんの人に愛されますように

迷っても 間違っても
最後には生きたことに誇りを持てる
がんばったね って
言ってもらえるような一生
送って…

嬉しいことや
悲しいことを繰り返して
そうやって歳を重ねていくんだよ

本田今日子 (The Final 12話)




がんばったね

本田勝也 (The Final 12話)




     
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